ARTIST

ピーター・ゴールウェイ PETER GALLWAY

オフィシャルHP

"シンガー・ソングライターの推薦盤を1枚挙げろと言われたら、僕は躊躇なくこの『ピーター・ゴールウェイ』を選ぶだろう。決して大上段に構\\\えたアルバムではない。連綿と続くロックの歴史の中でいえば、ほんの些細な出来事のような作品なのかもしれない。日常の生活や、自分の周りで起こったあれこれを自らの視線で語っていく。シンガー・ソングライターとは、他の誰にも置き換えることのできない自分自身を歌い上げることなのだ。\"(『ピーター・ゴールウェイ』ライナーノーツより)

"ドアが開いて、閉まる音。そしてボールをドリブルするビートに乗って始まる「サンデイ・バスケットボール」。ピーター・ゴールウェイのアルバム『オン・ザ・バンドスタンド』の幕開けは、映画の名シーンのように、いつまでも鮮やかに彼のファンの記憶にとどまっている。アルバムがリリースされたのは、1978年のこと。もう30年近くも前のことなのだが、その歌に織り込まれた日曜日の朝の空気は、永遠のようにさえ思える。" (『オン・ザ・バンドスタンド』ライナーノーツより)

バイオグラフィー

  1947年5月19日、ニューヨーク州のロング・アイランドで生まれたピーター・ゴールウェイは、その後、両親とともにグリニッチ・ヴィレッジへ移り住み、少年時代を過ごす。65年に幼なじみのケニー・アルトマンらを誘いバンドを結成。当初はウィットネセスLTD.と名乗っていたが、その後ザ・ストレンジャーズに改名し、KRレーベルよりシングル「ランド・オブ・ミュージック b/w アイ・ニード・ユア・ラヴ・インサイド・ミー」をリリース。ザ・ストレンジャーズは、ナイト・アウルやカフェ・ビザールといったヴィレッジの名門クラブで演奏するが、約3年の活動を経て解散。
 その後ゴールウェイはケニー・アルトマン、ジェリー・バーナムの三人に、エイヴォン・ハーバーというバンドにいたマレイ・ウェインストック、ジョン・リンド、それにドラマーのピート・ヘイウッドを加え、新たにフィフス・アヴェニュー・バンドを結成する。そして69年に唯一のアルバム『フィフス・アヴェニュー・バンド』(リプリーズ)を発表。プロデュースは、元マグワンプスでラヴィン・スプーンフルに在籍していたザル・ヤノスキーと、そのザルに変わってスプーンフルに加入したジェリー・イエスターというスプーンフル人脈。ソ\\\ウルやジャズのニュアンスもまじえた洗練されたフォーク・ロック・サウンドは、のちのスティーリー・ダンの音楽性を先取りしていたとも言える。
 このあとロサンジェルスに移り住み、ダラス・テイラー、レイ・ナポリタンらと組んだユニット、オハイオ・ノックスとして、71年に『オハイオ・ノックス』(リプリーズ)を発表。ジョン・セバスチャンが全面協力しているが、全曲がゴールウェイ自身のオリジナルということもあり、本作が実質的なゴールウェイのファースト・アルバムとなる。そして72年、初の個人名義のアルバム『ピーター・ゴールウェイ』を発表。ベースは盟友ケニー・アルトマン。ピアノは、オハイオ・ノックスのポール・ハリス。ドラムスは、スパンキー&アワ・ギャングやタートルズ、それにジェリー・イエスターとジュディ・ヘンスクのローズ・バッドなどでも叩いていた名手ジョン・サイター(後に、山下達郎のアルバムなどでも活躍)。ギターは79年にソロ・アルバムもあるジョン・ショール。\r
 カリフォルニア時代の2枚のアルバムのあと、ゴールウェイはメイン州へ移住し、音楽シーンの表舞台を退いたかに見えた。6年ぶりの新作『オン・ザ・バンドスタンド』(78年/ヴィヴィド・サウンド)は日本のみのリリースとなったが、その豊かな才能をファンに思い出させるに充分な傑作となった。アメリカでは翌79年に『トーキョー・トゥ・ココモ』として、『オン・ザ・バンドスタンド』の収録曲の一部を差し替えて発表された。さらにピーター・ゴールウェイ・レヴュー名義で自身のレーベル(Revue Records)から81年にシングル「ステイト・ストリート b/w フォーリン・アウト・オブ・ラヴ」を発表。\r
 そのあとのゴールウェイのディスコグラフィは、『プルーフ』(85年)、フィフス・アヴェニュー・バンドの再編アルバム『リアリー』(90年)、『スモール・グッド・シング』(94年)、『イエス、イエス、イエス』(95年)、ライヴ作の『ア・ナイト・イン・タイム』(97年)、そして99年にリリースされた『リデンプション』と続く。またローラ・ニーロへのトリビュート盤『タイム&ラヴ〜ザ・ミュージック・オブ・ローラ・ニーロ』(97年)、60年代後半のグリニッチ・ヴィレッジで生まれた名曲を現代のアーティストたちがカヴァーした『ブリーカー・ストリート』(99年)という、2作の優れた企画アルバムもプロデュースしている。近年は南カリフォルニアのサンタバーバラを拠点に活動。2007年4月に、スタジオ録音の新作『リズム&ブルース』と、76年にラリー・ジョン・マクナリーの自宅で録音されたアンプラグド未発表デモ集『ワン・サマー・デイ、ア・ロング・タイム・アゴー』の2枚を同時リリースしている。

ディスコグラフィー