Blog by 大貫憲章

今を騒がせる可愛くて本物のブルース・ウーマン、サマンサ・フィッシュをご存知ですか?

 ご無沙汰です。昔、このブログを始めた頃に、ここでもお馴染みの「はせ はじむ」クンから。「オーヌキさんのブログは月いち、月刊大貫憲章ですかぁ?」なんてからかわれたことがありましたが、その時には「ザケンナヨ!」なんて言いましたが、今では、彼の言う通りな感じになってます。いやはや、まったくもってすみません。

 ぼくのここのブログを楽しみにしていただいている方がどれくらいいらっしゃるか実際知りようがないんですが、でも、そういうこととは関係なく、キチンとある程度の期間内にやらないといけないですね。反省してます。(反省だけなら猿でも出来る、なんて言わないで下さいね)。

 で、今回は自分の最近のお気に入りのVIVIDからのリリースCDからいくつか紹介させてもらいます。VIVIDは言うまでもなくインディーズの草分け的な「名門レーベル」ですが、例えばひと月のリリース枚数とかどれくらいか分かりますか?考えたこともないよ、という人が大半でしょうけど、これが、相当多いんです。月によりバラつきがありますが平均して、多分、数十枚じゃないかと。
 自分でも数えたわけじゃないし、聞いて確認したこともないですが、リリース予定表みたいな資料をいただいているので、その資料からすると、それくらいはラクにあるかな、という感じです。

 もっとも、それも、洋楽ロックだけに限らないので、まぁ、当然と言えば当然ですかね。日本のJ-POP的なものやロック以外のジャンル、特に多いのがジャズです。これは、厳密に言うとVIVIDからの発売ではなく、ほかのレーベルが出したものを流通に乗せるというケースとして、ということです。日本ではこの流通がレコード(CD)の販売には大きな意味を持っています。あまり業界的な裏話をしてもみなさんには興味がないかもしれませんが、いわゆる「メジャー系」と呼ばれているレコード会社、S社やU社、W社などもかつては独自の販売網を全国的に展開していましたが今では既存の流通システムに依存しているところもあります。
 これは、自分が「LONDON NITE」のレコード(CD)を編集発売した時に初めて知った事実でした。流通に関しては今やメジャーもインディーもそんなに大差がありません。というか、独自性という点ではインディーズの方がアドバンテージが大きいのかもです。

 さて、いよいよここから本題です(相変わらず、話のマクラが長くてすいません)。ちなみにマクラというのは、話の頭を乗せる、という意味合いから、文章の導入部をさす業界用語です。つまり、イントロが長い、のがぼくの40年来の癖なんですね。
 
 まず一番目に紹介したいのが可愛いルックスに似合わない、本格的なスンゴイ、ブルースを演奏し歌う最近多い女性ブルースマン?たちのひとり、サマンサ・フィッシュ。とにかく、ブロンドの長い髪に目元パッチリの美人でミズーリはカンサスシティ出身の22才。若い頃(今も十分に若いですが)からブルース好きで、「聖地」シカゴに単身赴き、地元の有名なブルース・クラブ(昔風に言うならJUKE JOINTかな)で演奏しているところを見いだされ、昨年の地元の大イベント「ブルース・フェス」にも出演し、こうしてソロ・デビューを果たしたちうわけです。ぼくが彼女を知ったのはそんなに古いことではなく、今年の初め頃にこのVIVIDのリリース・インフォから女性ブルースマンばかり3人集めた『ガール・ウィズ・ギター』
(BSMF-2209)を見て、「こりゃあ、いいわ!」と思ったのが始まり。で、すぐに本作が出てラッキーの連続というわけです。こうした若手の女性ブルースマンを追いかけている風変わりなレーベルが、ドイツのRUFで、ここからはその『ガール・ウィズ〜』に参加した他の二人、イギリス出身のダニー・ワイルドに同じくイギリスのジョアン・ショウ・テイラーもこのRUFの目にとまりデビューしたギタリストだ。みんな美人というのがニクい、つーか、嬉しいね。

 これで、見た目だけ、というんならここで紹介したりはしません。見た目ギャルギャルなのに、プレイはスライドを中心にかなり濃密なサザン.スタイルのブルース・ロック。女ジョニー・ウインター、とは言わないけど、心意気は十分。まぁ、女性でスライド・ギター、というとすぐにイメージするのはボニー・レイットだろうけど、彼女のキャリアにはかなわないけれど、そのフォロワーから脱して独自の彼女なりのスタイルを身につければ、ボニーともいい勝負になる可能性はある。まだなんと言っても22才なんだから。
まあ、CDの帯にもあるようにBSMFレコードでは「Blues Woman Series」と銘打って、彼女たちのような若手気鋭のブルース・ギタリストたち、ソウル.シンガーらえをフォローしているのでそれらを今からでもチェックしてみるのも面白いかもしれない。自分もそのひとりですから。

 しかし、世界は広い。今時、こんな女の子たちがロックのルーツのひとつである歴史も伝統もある音楽、ブルースにチャレンジするなんて。日本の今の音楽シーンからはほぼ考えられないこと。あ、でも、日本にも女性のブルース・バンドは皆無ではなく、近年、少しではあるけど、そういうことをやる女性が出て来たことは事実で、そういうものにも注目していきたいと考えてます。では、また来月、いや、嘘です。なるべく早めにお会いしましょう。