ぬわ〜〜〜んと、この今の日本で、「こんなん売れるんかい?」とマニアな自分でさえ驚いた過去の名作がリイシューされてました。それは、ここVIVIDからの発売で、そういう意味じゃ、さすがVIVIDだ!とうならされます。
※注意:正確には受託レーベルのエアー・メイル・レコーディングスが発売元
というのも、発売されたFIELDSとGINHOUSEは、70年代ブリティッシュ・ロックがほぼ全盛期を謳歌していた頃のアーティストで、今でも熱心なファンを持つようなバンドが生まれたりしていた時期に大量にその周辺に現れた、まさに「雨後のたけのこ」みたいな、今となってはほぼ誰も記憶にないようなバンドたちのひとつ的なものだからです。
言うまでもなく、自分もこのバンドのこの作品はレコードで当時手に入れていました。ワケあって今では残念ながら手元にはない、その意味で貴重な作品なんですが。
FIELDSは解説にもあるように、元RARE BIRDというキーボードをメインにした壮大な楽曲とそれに見合うサウンドを持ち味としていたバンドに在籍したグラハム・フィールドというキーボード奏者がソロとなって知り合いと組んだトリオ編成のバンド。まったく無名ということではなく、キング・クリムゾン関係のミュージシャンだったりするんですが、とは言え、一般的には無名と言っていいくらいの人たちで、自分のような大昔からイギリス大好きなロック・ファンくらいにしかアピールしないメンツのバンドで、スタイルとしてはやはりキーボードをメインにすえて、RARE BIRDよりはシンプルでフォーキーなタッチの曲、演奏がファンには魅力なんです。大げさすぎない、EL&Pやクリムゾンみたいではない、気持ちポップな感じですかね。しかし、こういうのを、一体どういう人が今買うのか?そこにおおいに興味があるんです。ジャケットの鷲がうさぎを襲っているイラストとか、この中身とは関連性がまるでない気がしてます。でもこのジャケで気になって、思わず買っちゃった、なんていう人も少なくないかと。
もう一方のGINHOUSEは、もっとビミョーな立場のバンドで、デビューした頃の評価は決して高くなかったと記憶してます。自分もレーベルのB&Cが案外カッコいいものを出していたので、気に留めた程度ですから。ジンハウスと言えば普通ブルースとかを思い浮かべるんですが、このバンドにはそういうブルースの臭いはほぼありません。やはり、今ひとつ決めてに欠ける印象が未だに強く、今改めて聴いてみても、昔よりは素直に聴けるものの、「サイコーじゃん!」とまではいかないのが、歯がゆいところで、ビートルズの初期の名曲「And I Love Her」をカバーしてるんですが、時代ゆえか、オリジナルとは大きく距離を置いたアグレッシブで大胆なプログレ/ハードな感覚のものに変身させています。そのアレンジはだからビミョーなんですが。。
とは言え、こういう埋もれかかった作品、アーティストを今発掘しようという試みはおおいに意義深く、意味のあることです。もうこういうカタログを持っている大手メーカーはハナから売れない、と決めこんで、リリースなんてありえない状況ですから。B級とかC級とか言われるものでも、今の時代の音楽ファンに聴いてもらって、新たな発見があったり、昔とは違う評価を受けたりするかもしれません。その観点からも今後もこういうモノをドシドシ出し続けて欲しいと心から願っています。で、たまには自分にも解説させて欲しいものです。これがこのコラムの「本音」でした。あざ〜〜〜っす!