Blog by 大貫憲章

「平均年齢16才のブルース・ロックお兄ちゃんたち現る!」

もうとっくにご存知かもですが、ここんとこ、急に巷を賑わしているアイルランドの4人組の
ヤングなビート・バンドを紹介します。と、同時に彼らが多分影響を受けたり、求めたりしてい
る音楽、つまり彼らのルーツとでもいうべきものも紹介しようと。

 すでに連休前の4月24日に、東京で1回だけライブをやり帰国しました。ただ、10月には、
ちゃんと準備して日本に戻って来るようです。あ、そうそう、肝心の彼らですがThe Strypesと
いう平均年齢が16才というビックリなヤングたちです。日本で言えば高校1年くらいですから
ね。日本にもそういう歳でバンドやってる人はいると思うし、海外では当たり前かもですが、こ
こまで一部とは言え、話題になるものはそうはいませんよね。

 先日の来日は、ある意味、そういう彼らのお披露目を兼ねた「話題作り」の印象もありました
が、テレビに出たりなんていう体験は本国でもまだないらしいです。普通に200〜300くら
い入るホールで演奏しているみたいなんで、彼ら自身一番面食らっているのかもしれないですね。

 ただ、自分はその肝心のライブを体験していないので、演奏どうのこうのは言えないですが、
評判はいろいろです。まぁ、若いのをウリにしてるだけ、という手厳しいものから、あの若さで
ああいう選曲や演奏は見所ある、という称賛まで、ホント、いろいろ。

 日本でもデビュー・アルバム(ミニ・アルバム?)が出たばかりです。4月10日にユニバー
サルから『ブルー・カラー・ジェーン』という7曲入りのCD。もちろん、とっくに聴いて、ラジ
オ(inter FMの「Kenrocks Nite ver2」毎週金曜日の深夜2時から3時まで)でも特集しました。
彼らのオリジナルも悪くはないんですが、どうしてもカバーの選曲に目がいきます。何しろ、「
I Wish You Would」とか「You Can't Judge Book By The Cover」とか「I Got Love If You Want」
なんていうチョーシブいブルース/R&Bなんですから。まるで時代が60年代初期に戻ったみた
いなもんですね。ストーンズ、アニマルズ、キンクス、ゼムなんていうビート・バンドが闊歩し
ていた時代を思わせるチョイスです。

 彼らにはこういう音楽はどんな風に聞こえているんでしょうね?第一、なんでそんな古い曲を
若い彼らが知ったのか?というのも興味深いです。しかもそれに興味を持ち、バンドでプレイす
るなんて。十代そこそこのヤングの感覚とはにわかには信じられないほどのプレイだし、好み。

 いずれにしろ、自分はそんなに悪くは思ってません。むしろ、こういうことがきっかけで、こ
の日本にもボウディーズみたいな若いR&Bライクなビート・バンドが多く生まれて欲しいからで
す。懐古趣味だろうが、オヤジ好みだろうが、どーでもいいんです、そんなこと。鮎川くんたち
がずっとやってるようなロックンロールの基本形、をやる若い人たちが増えるのは純粋に素晴ら
しいことです。

 そんな期待をしながらThe Strypesとかそのフォロワーが生まれるのを待っている感じの今日
この頃です。で、彼らがプレイしている曲のひとつ、ニューオーリンズ系のR&BBミュージシャ
ン、ビリー・ボーイ・アーノルドのオリジナルをエリック・クラプトン/ジェフ・ベック/ジミ
ー・ペイジらのスーパー・ギタリストを輩出したバンドでもあるカッコいいThe Yardbirdsのプ
レイで見てもらいましょう。ロックンロールは生々しくあるほどクールでカッコいいんです。

"Live" 8/65 With Jeff Beck
http://youtu.be/Y0ULGnNu_xI