Blog by 大貫憲章

自分の記憶を他人からたどってもらえた

ず〜〜っと音楽関係の仕事をしてきて、それも初めの頃はいわゆる「音楽評論家」という形で、もっぱら音楽専門誌に原稿を出したり、レコードやCDの解説(ライナーノートと言うもの)などを書いたりして、ほぼ物書き業でした。
 その後、メディアが広がり、放送媒体に進出してラジオのDJ/パーソナリティーとかいうこともやったり、そのテレビ・バージョンもやるようになったりで、80年代から90年代にかけては仕事も時代に沿うように多様な形になり、しかも、自分にとってはそれら日常はまさに日々の暮らしで、特に気に留めるようなことでもないわけで、ありていに言ってしまえばいろいろな仕事のことなどいちいちメモとかするとか、そういう風にキチンと整理してまとめたりなんかしないタイプなので、正直これまで自分が何をどれだけやって来たのか、全然わかっていません。
 自慢じゃないですが、そういう方面(整理整頓とか)は本当にダメダメで、要するに仕事もなにもやりっぱなし、というタイプです。だから、今いろいろ自分の仕事を振り返り、本とか写真集とか、そういうモノにまとめようとしても本人が何をしてきたのか覚えてない、というありさまで、どこから始めたらいいのかさえ分からない体たらく。

 そういう時に今の時代はいいなあ〜、と思えるようなことがありました。そうです!ネットです。この24時間いつでも開店しかもワールドワイドで!というスグレモノの「現代の火」とも言うべき人類の武器が、自分の過去を掘り起こすことを可能にしてくれたんです。
 自分ひとりでは無理なことも世界中(自分の場合はそこまでいきませんが。でも日本中のですね)が協力してくれれば案外可能かもです。その実例のひとつをここに紹介します。
 これはFACEBOOKで知り合った方から頂いたものです。そして、こういうこと(自分についての資料的な物事を相手の方から譲り受けること)が、この一例だけではなく、複数回にわたって起こっています。もちろん、その詳細をここで披露するのはプライバシーやそのほか、いろいろ難しいこともあるので、委細つまびらかに、とはいきませんが、こういうことが起こっているということが重要なんです。
 この方(仮にAさんとしましょう)から頂いたのは、自分でもすっかり忘れていたもので、こうして記事を見て、なるほど、そう言えばこういうモノを書いたかもしれない、というくらいのあやふやな記憶の片隅の出来事なんです。
 でも、自分ですら記憶していないものをこうして他人様からいきなり差し出されるのもヘンな気持ちです。オレは一体何者なんだ?忘れていいものとダメなものとあるだろーが、といささか自己嫌悪。と話が無駄に長くなりました。では、そのブツをここに。

1979年の雑誌の一部で、どうやらコラムのようです。この雑誌の名前さえ覚えてないので、コラムのことは言うまでもないですね。でも、文章は確かに自分の書いたものです。昔の自分に出会えたようで、感激するやら、気恥ずかしいやら、複雑な心境ですが嬉しい、というのが本当のところです。コレを見つけて(保管してくれて)くれて、教えてくれて心から感謝します!!まだ、こういう、自分の記憶にないものが眠っているかも。もし、みなさんの中で「こーゆーのがある!」と言う方、是非VIVIDさんまでお知らせ頂きたいです。大貫憲章のブログ係(そういうのがあるか別にして)とかにでもメールかハガキとかで教えてもらえると有り難いです!!よろしくお願いします!押忍!!