Blog by 福田直木

福田直木『CROSSOVER LABORATORY』

Robert Byrne & Brandon Barnes (バーン&バーンズ) 特集

こんにちは。
ブルー・ペパーズの福田直木です。
僕がFMヨコハマからお届けする『CROSSOVER LABORATORY』

いつもお聴きいただきありがとうございます。

この番組では70年代から80年代に流行した豊かな音楽、AORやクロスオーバー、フュージョン、ブラックコンテンポラリーなどから僕がお気に入りの曲をピックアップして、その聴きどころなどをご紹介しています。

このブログでは番組でご紹介した作品を再度ピックアップしてお届けしたいと思います。

第一回目はバーン&バーンズです。

★Love You Out Of Your Mind
Byrne & Barnes / An Eye For An Eye (1981)

AORの名盤、個人的にも大好きなバーン&バーンズの唯一作『An Eye For An Eye』から「Love You Out Of Your Mind」です。
唯一作と言いましたが、もともとこのアルバムはバーン&バーンズの片割れ、ロバート・バーンの79年の1stアルバムに続く第二作として制作されたもので、途中で曲の共作やベース・ドラム・シンセサイザーの演奏などで大きな貢献をしていたブランドン・バーンズとのユニット名義に変更されて発表された、という経緯がありますね。
ロバート・バーンは単独でもポップ・カントリー系の多くのアーティストに曲を提供していたり、ブランドン・バーンズものちにブライアン・マックナイトをいち早く見出して、初期のほとんどの曲をマックナイトと共作していたりして、どちらも作家として才能に溢れています。
ということで、今回はそんなバーン&バーンズの2人が関わった楽曲をご紹介します。ちなみに、この「Love You Out Of Your Mind」は、アン・マレーが84年の『Heart Over Mind』というアルバムで取り上げていて、こちらも要チェックです。

★Who’s That Look In Your Eye
Michael Johnson / Lifetime Guarantee (1983) 

続いて取り上げるのはマイケル・ジョンソンの「Who’s That Look In Your Eye」という曲です。1983年のアルバム『Lifetime Guarantee』に収録されています。作者はロバート・バーンとTom Brasfieldで、本家のバージョンはバーン&バーンズのCDのボーナス・トラックで聴くことができます。
他にもTaffy McElroy、Engelbert Humperdinck、Rick Bowles、Dottie Westなどなど、いろいろなアーティストがこの曲を取り上げていますが、僕はこのマイケル・ジョンソンのバージョンが一番好きですね。一発でそれと分かるデヴィッド・サンボーンのサックスの音色も映えていて、数あるカバーのなかでも一番ロマンチックに仕上がっているんじゃないでしょうか。
あとね、マイケル・ジョンソンといえば、ランディ・グッドラムやビル・ラバウンティの曲を歌った78年の『The Michael Johnson Album』から81年の『Home Freeあたりの作品がAORファンにはよく知られていると思うんですけど、個人的にはこの「Who’s That Look In Your Eye」が入っている83年の『Lifetime Guarantee』がアルバムとしても一番好きなので、お持ちの方は是非改めて聴いてみてほしいです。今は掛けなかったですけど、B面ラストの「I Still Love You」とかも本当に素晴らしいので、オススメです。

★When I Can’t Have You
Anne Murray / A Little Good News (1983) 

続いてお聴きいただいたのはアン・マレーの「When I Can’t Have You」という曲でした。1983年のアルバム『A Little Good News』に収録されています。こちらの作者はブランドン・バーンズとRichard Butlerという人ですね。
ブランドン・バーンズは、ロバート・バーンとの共作を除くとブライアン・マックナイトのデビュー前の80年代にはあまりクレジットに名前が残っている作品が無くてですね、このアン・マレーの曲はその数少ないブランドン・バーンズ単品のワークスのひとつでした。
僕はもともとアン・マレーというと、ランディ・グッドラムが書いたヒット曲の「You Needed Me」くらいしかちゃんと聴いてなくて、レコードで買うとすごく安く手に入ることもあって、去年ふと片っ端から聴いてみたい欲求に駆られてアルバムを集めているうちに出会ったのがこの曲でした。彼女の低域の太い声を暗めな曲調がマッチしていてかっこいいですね。

★So Much Love / Taffy McElroy with Robert Byrne
So Much Love (Single,1983) 

続いてご紹介するのはTaffy McElroyというシンガーがロバート・バーンとデュエットした83年のシングル盤でね、これは僕と同じVIVID SOUNDからギタリストの鳴海寛さんの再発をされている方に教えてもらったんですけど、これ僕も全然知らなくて、アルバムに収録されていないのが本当にもったいない位のイイ曲なので、お聴きいただこうと思います。アナログ起こしでちょっとブチブチ鳴ってしまうんですが、そこんとこはお赦しください。
ゆっくり目の16ビート、メジャーセブンスコード、ちょっと裏をかく転調と、絵に描いたような優等生AOR、という感じですよね。タフィーは先ほどもちょこっとご紹介したんですが、80年の『The Heartbreak Kid』というアルバムではロバート・バーンの曲を2曲歌っていたりするんですけど、多分未CD化なので、そのCD化ついでにボーナストラックで「So Much Love」も・・・なんて妄想をしちゃいます。そこんとこは、この前ゲストでこのラジオに出ていただいたK先生にお願いしてみますね。

★That Didn’t Hurt Too Bad
Dr. Hook / Rising (1980) 

ちょうどラジオでかけようと思っていたら、つい先日ドクター・フックの中心人物レイ・ソウヤーが亡くなってしまって、その追悼的な意味も込めてご紹介します。
ヒット曲「Sexy Eyes」で有名な『Sometimes You Win』の1枚あとのアルバムで、この時期は「Sexy Eyes」以外にも結構AORテイストな良い曲があるので、僕もこの機会にもう一度ドクター・フックをよく聴いてみようと思ってます。
That Didn’t Hurt Too Bad」はもともとロバート・バーンのアルバム『Blame It On The Night』に収録されている曲で、ドクター・フック以外にも先ほどご紹介したTaffy McElroyやFCCなんかも取り上げているので、こちらも併せて聴いてみてくださいね。