スマーフ男組の個性と発展
スマーフ男組待望のデビュー・フル・アルバム。エレクトロファンクと日常が見事なまでにヒップにポップにスマーフィーに昇華した66分1秒全16曲の、スマーフ男組によるフレッシュな音世界。ビートの破片にはくれぐれも御注意ください!
ひらけゴマ!
深夜のプレイタイムが始まります。虫声でマイクテステス、ワンツーワンツー。切ったり貼ったり、足したり引いたり、並べてみたり並べ変えたり。なんだったら、好きな色に塗ってみてもいいらしい16個のパズル・ピースが描く、3人と愉快な仲間たちによる大冒険。知恵と勇気とお酒と涙をたずさえて、一日一歩、三日で三歩、五年で千八百二十五歩……たぶん、それ以上歩いた個性と発展の道。酔っぱらいが繰り返す同じ話以上にねちっこいエディットを施したエレクトロ・ヒップホップはローマに通じていなくても、ファンキーかつサイケデリックな音響はハウス、テクノに通ず。タバコのflavorがしたニガくてせつないこの香りはこどもには分かるまい。いや、分かるかな。まぁ、どっちでもいいけど、ああ、おとなになってよかった、もしくはなりたいと思える一枚であることは確かです。謎の媚薬「セックス・パケッツ」を飲んだ後のモヤモヤした気分を甘酸っぱく思い出したりもするデジタルでアンダーグラウンドな大傑作アルバム誕生を、僕は心から嬉しく思います。/小野田雄(ライター)