リトル・クラシック Little Classic
これぞSKAの真骨頂。巷を沸かせた傑作『slow dawn』から1年、ジ・エスカルゴマイルスの2nd Albumが完成。オーセンティックでありながらもその枠にとらわれず、時にキラーに時にメローに響くアンサンブル。個性豊かに綴られた11曲/39分のサウンド・スケープ。
遂に2ndアルバムの登場である。なかなかリリース・ペースが遅いのが大所帯スカ・バンドの常だが、前作から1年で完成してしまうあたりが、バンドの状態の良さを如実に物語っているのではないだろうか。前作は"ホーン・アンサンブルの心地よさ"を追求した内容だったが、本作はそれを踏まえた上で様々な曲調にチャレンジ。バンドの音作りのキーマン(と、個人的には感じている)、高井の鍵盤をフィーチャーしたメロウな"Ivory drops"、口チュクが乱れ飛び、スパニッシュなギター・フレーズが印象的なキラー・スカ"Round around"、度々ライブでもハイライトを飾り、大合唱となる哀愁系の歌モノ"Don't Lose"、ルーディーなシャッフル・ナンバー"Guilty Tongo"、 また、フランク・シナトラも歌う映画『酒と薔薇の日々』のテーマ曲"The days of wine and roses"のカヴァーは原曲の持つ悲哀を残しながら、ポップに聴かせてくれるのです。もちろん、彼等がお得意とする心地よいホーン・アンサンブルが特徴の"COS-MOS"のような楽曲も収録と、従来のファンにも納得の全11曲。アルバムをトータルとして評するならば、外の世界を覗くことで再発見した自分達らしさ、そしてライブを重ねることで培われた強靭な足腰から繰り出されるグルーヴを目一杯詰め込んだ、この先10年以上に渡って彼等のスタンダードたりうる、まさに「Little Classic」な内容と言えるだろう。