サシファイド Sassified
- アーティスト
-
ジョン・サスJon Sass
- レーベル
- ガッツプロダクション
- 商品区分
- CD
- 発売日
- 2007/07/11
- 品番
- GJSS001
- 税込価格
- 2,619円
- ジャンル
- バーコード
このアルバムの面白さは、チューバの多重録音をベーシックなサウンドとした上で、サス自身のヴォーカルやナレーションを加え、さらに曲によって3パーカッション、タブラ、フルート、シンガーが参加した音作りにある。チューバが主旋律とハーモニーの両方を奏で、ベース・ラインも刻む。マルチ・トラックによるホーン・アンサンブルはふくよかさとまろやかさを合わせ持つと同時に、ブラス・バンドのプロミティヴな力強さも感じさせる。オープニング曲「シティウォーカー」はSEも使用してストリートの雰囲気を巧みに表現しており、これ1曲でサスがチューバという楽器の可能\\性をいろいろと試すことが、アルバム・コンセプトの大きな柱になっていることを確信。ファンキーな「ゴー・ウィズ・ザ・フロウ」はホーンズとヴォイス・パーカッションの共演といった趣で、エンタテインメント性もたっぷり。それらすべてを1人で作り上げたことを冷静に考えれば、ジョン・サスというミュージシャンの音楽オタクぶりも浮き彫りになる。高度なチューバ・コントロールは楽器トレーニングの賜物であることがわかるし、R&B、ソウル、ファンク、ブルースの要素が随所に認められる点は、ハーレムのストリートで育ったサスの音楽的バックグラウンドを物語る。70年代にアース・ウィンド&ファイアやジェームス・ブラウンのブラス・サウンドを好んで聴いたというのも、時代背景とサスの生活環境を考えれば自然なことだ。2トランペット+ホルン+トロンボーン&ユーフォニューム+チューバの金管カルテットで活動中のサスが、自作自演のホーン・アンサンブルに取り組んだのは、ジャズでは裏方的なイメージが強いチューバに、人々の関心を向けようとの目論見もあるのではないか。サウンドからはサービス精神が旺盛で陽気なキャラクターも伝わってくる。「チューバでジャズをやるという奇想天外のアルバムが出来たんだ!」と意気込むアルバム・カヴァーのサスは、一瞬スタンリー・クラーク似で、マーカス・ミラーらとのNY人脈もある。今後はそちら絡みでの新展開にも期待を寄せたくなるチューバ奏者の異色作だ。(ライナーノートより抜粋)
ジャズを基盤にチューバの多重録音、自身のヴォーカルやナレーションを加え、曲によってパーカッション、タブラ、フルート、シンガーが参加した、自由で革新的な作品。