リベルティ LIBERTI

ラビアはオランとアルジェ（どちらもライやシェイハットの故郷アルジェリアの都市）でシェイハット歌謡の歌い手として活動したのち、1977 年にパリに移住してベルヴィルでカフェを開業。そしてパリのアルジェリア・コミュニティーの社交クラブとして知られる「ベジャイ・クラブ」に定期的に出演し、いにしえのシェイハットの醍醐味を今に伝えるアーチストとしてコミュニティーの壁を越えてパリ中にその名を知られるようになりました。彼女はステージでフランス語でもその歌詞を説明し、砂漠の女の情念やメランコリーや愛欲などが表現されていることをコミュニケートできる、おそらくたったひとりのシェイハ歌手となったのです。\r
本作は、ルーツを強烈に感じさせるラビアの音楽に強く引きつけられた、普段はダンス系のリリースをするパリの若いレーベルが制作。
ガスバ（葦笛）２本と、タールとベンディール（打楽器）によるシェイハット伝統の伴奏に乗って、ラビアの野太く男性的でパワフルな歌声がぐんぐんとトランス状態にひっぱっていきます。さらに、女性プロデューサー、ディナ・ドゥイエブによる電子系のエフェクトやエレクトリック・ギター、ムーグ・ベースなどの使用も、この呪術的なノリを効果的に盛り上げていきます。一度はまると、トリバル・グルーヴの幻惑状態となること必至です