パノラミコ PANORAMICO

77年、ブエノス・アイレスで生まれたエミリオ・アロは、94年より地元の人気バンド、"Astroboy Nunca Pierde"のヴォーカルと作曲を担当し、メジャーデビューを果たすなど、早くからその独創的でオリジナリティー溢れる才能を開花させていった大注目のアーティストです。また、サンティアーゴ・バスケスも共演しているプロジェクト・ベローナの『Tontas Promesas Falsas』やパーカッショニスト、アンドレア・アルバレスの作品をプロデュースするなど、プロデューサーとしての才覚も同時に延ばしていっただけでなく、舞台音楽家のガブリエル・バレードと組んだユニット、"Bailongo!"はアントニオ・バンデラス主演の映画、『レッスン！』のサウンド・トラックにも参加しました。『パノラミコ』は、そんな彼が作曲、録音、プロデュース、ミックスの全てを自ら手掛けた1st.ソロ・アルバムです。ほとんど即興で生まれた音を繋げたという本作は、録音した水の音などの環境音やアーコスティックなギター、パーカッション、親指ピアノ、鈴、口笛といったオーガニックな響きををメインにしながらも、サイケデリックでアンビエントな空気を醸し出すかなり凝った作品に仕上がっています。そして、どこか浮遊感の漂う不思議な音色と音響アレンジ、テクニカルな演奏が心地よく共存し合い、夢見心地のマジカル・サウンドを繰り広げています。これまでの音楽のあらゆるジャンルのパターンを無視し、全く予\\測のつかない展開を繰り広げるエミリオ・ワールド。大都会と大自然、南国と寒冷の地、光と闇、全く相反するものが、不思議と美しい調和を生み出しているジャケット写真にも思わず目を奪われてしまいます。