プーロ・センティミエント PURO SENTIMIENTO

●ウーゴ・ファットルーソの音楽の大きな柱となっているのはウルグアイで育まれた黒人音楽であるカンドンベ(*)です。ピアニストとしても超一流の彼が、今とりわけ力を入れているこのレイ・タンボールというプロジェクトは、自国ウルグアイ固有のリズム、カンドンベをフィーチャーし、彼が培ってきたジャズやフュージョンなどの様々な音楽とリンクさせながら唯一無二の世界を創り上げることに成功しています。
●本作は、カンドンベを現代的に、新鮮でエキサイティングな方向へと導いていく斬新な一枚。エドゥアルド・マテオやルベン・ラダ、ハイメ・ルース、ガーシュイン兄弟などの楽曲が、低、中、高音のビートによって持続的に繰り出されるパーカッションをバックに、ウーゴのジャジーでスムースでラティーノなピアノによって甦っています。もちろん、自作曲も素晴らしいのでお聴き逃しなきよう。そしてラスト・トラック、ブラジルはミナスの巨匠ミルトン・ナシメントや盟友エドゥアルド・マテオの名がクレジットされた美しすぎるメドレーによるエンディングで本作は幕を下ろします。