３３　１／３ 33 1/3

南インド出身の両親を持つロンドン生まれのスシーラ・ラーマンは、その出自、環境を活かし、インド的な個性を垣間見せながらも、世界に通用するグルーバル・ポップ作品を生みだしてきました。そして、４作目となる本作は、その路線をさらに進めた内容となっています。取り上げた曲は、ポップ?ロック好きだったら誰もが耳にしたことがあるようなスタンダードばかり。前作発表後喉を痛めた彼女は、静かに心休まる曲を捜し続け、様々な曲を聞き漁った結果、『33 1/3』回転すなわちアナログ・レコード時代にヒットした曲が、聞き手にとても優しいサウンドである、という結論に達し、本アルバムのコンセプトが出来上がったそうです。そして、出来上がったアルバムは、まさにアナログ・レコードを聞いているかのように心地よく、何度でも聞いてしまいたくなるようなナチュラルな中毒性のあるサウンドが詰まったものになっています。ワールド・ファンのみならず、ロック、フォーク・ファンにも絶対自身を持ってお薦めできる内容です。また、初秋にもってこいのサウンドでもあります。ワールド・ミュージック・ファンの間で評価の高い名著『ローカル・ミュージック』（昼間賢・著）において、タルヴィン・シンとともに、「グローバル化に根ざすエイジアン」として紹介されるなど、日本のファンにもお馴染みのアーティストです。