トラヴェリン・レディ Travelin' Lady

■33年、米アイダホ生まれのロザリー・ソレルズは、60年代初頭にデビュー以来、今日までリリースしたオリジナル・アルバムは20枚を超える大ベテラン。そんな彼女の全ディスコグラフィーのなかでも、本作（オリジナルＬＰは米サイア）は、初期のフォーク・スタイルから自作中心に移行して以降の、シンガー・ソングライター・スタイルによるソレルズの最高傑作。冒頭のアルバム・タイトル曲やラストの「ロザリー、ユー・キャント・ゴー・ホーム・アゲイン（もう２度と家には帰れない）」など、自伝的な内容を持ったオリジナル曲はどれも粒ぞろいで、またお馴染みのカヴァー「ロック・ミー・トゥ・スリープ」（ユタ・フィリップス）も素晴らしい。参加メンバーのうち、ギターのミッチ・グリーンヒル（ボストン/ケンブリッジのフォーク・シーンで60年代初期から活躍する歌手兼ギタリスト）は、66年のニューポート・フォーク・フェスティヴァルで共演して以来の盟友。さらにダン・ヒックス人脈からヴァイオリンのシド・ペイジが参加。