ハッピー・アンド・アーティ・トラウム HAPPY AND ARTIE TRAUM

■かつてのバンド（ベアー）仲間でもあったエリック・カズ（ハーモニカ、ピアノ、オルガン）をはじめ、ジェリー・キャリガン（ドラムス）、バディ・スピッチャー（フィドル）、ボビー・トンプソン（ドブロ）、ウェルドン・マイリック（スティール・ギター）、ケン・ローバー（ピアノ）、ケン・バトレー（ドラムス）など、エリア・コード615のメンバーが脇を固めている。ザ・バンドの2人、リック・ダンコ/ロビー・ロバートソン作の「ゴーイング・ダウン・トゥ・シー・ベッシー」の原曲は、ディラン＆ザ・バンドの『地下室』（75年）で公式に発表された、ウッドストック/ビッグ・ピンク録音（68年末）による「ベッシー・スミス」で、ナッシュヴィル録音ながら、ウッドストックのスピリットもしっかり刻印されている。「アンクル・ジェド・セイ」には、60年代末期からナッシュヴィルを拠点に活動、ウッドストック人脈ともゆかりのあるトレイシー・ネルソンとマザー・アースの面々が、バック・ヴォーカルで参加。アコースティックをベースにしたアメリカン・ルーツ・ミュージックのショーケース的内容であり、ドラムスやベースを加えてロック的な感覚も盛り込んでいるが、ナチュラルで自然発生的な、音の隙間から立ち上がるスピリチャルな響きが、なんといっても素晴らしい。