エル・ヌエヴォ・ソニド・デル El Nuevo Sonido Del

■数年前から日本のジャズ蒐集家のあいだで、“タンゴではないアルゼンチン”をスローガンに、かの地のジャズをコレクトする者がにわかに増殖。その中でも際立った存在がこのチボ・ボラロ。そんなアルヘンティーナ・ジャズ・シーンを代表するボラロが\66年にリリースした幻のソロ・アルバムは、親爺ジャズ・ファン(失礼！)から現代のクラブ・キッズまでを虜にするあまりにもミラクルな内容!!

■本作はコレクター王国イギリスでも400ポンド以上、都内随一の某ジャズ・コレクター・ショップでは、ウルグアイ盤ですら6万の値が付けられていたとんでもないモンスター・アルバム!!!

■“チボ”の愛称で親しまれたルイズ・オラシオ・ボラロは海外に進出していれば、おそらくガトー・バルビエリと双璧の名テナーとして活躍できたに違いない。さらに本作に参加のフェルナンド・ヘルバルドは先日のリイシューで既に話題沸騰中のアルゼンチンの孤高の鬼才ピアニスト!!

■あのジャザノヴァも、究極のアーティスト、作品として本作の"HALF AND HALF"を激プッシュ!!御大ジャイルス・ピーターソンを筆頭に、クラブ系の流行に敏感なリスナー達の間で、“ポスト・ブラジル”として注目されているアルゼンチン・ジャズ・シーンにおいて、今最も注目されているのがこのチボ・ボラロ!!

■冒頭の「Charlie's Blues」から各ミュージシャンが火花を散らす。絶妙にスウィングするベース､ドラムをバックにチボの圧倒的なサックスが支配する最高にクールでスタイリッシュな仕上がり!!本作のハイライト、チャーリー・デイヴィスの「Half And Half」は世界中のジャズ愛好家達にアピールしうる、コルトレーンを彷彿とさせる最高の出来栄え!!本作のもう一つのハイライト、「Summertime」も各ミュージシャンの緊密なインタープレーが繰り広げられる鳥肌ものの内容!!往年のジャズ・ファンから最新のクラブ・キッズにまで支持される稀有のサックス奏者、チボ・ボラロの最高傑作!!

■解説：若杉実