オ・ソン・ド・ジュリーニョ O Som do Julinho
- アーティスト
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ジュリーニョJulinho (Julio Barbosa)
- レーベル
- ヴィヴィド・サウンド
- 商品区分
- CD
- 発売日
- 2003/07/18
- 品番
- VSCD9044
- 税込価格
- 2,750円
- ジャンル
- バーコード
楽曲リスト
DISC1
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1. CAROLINA
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2. SAMBA EM TRES TEMPOS
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3. E NADA MAIS
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4. RODA VIVA
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5. CAMINHANDO
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6. TRAVESSIA
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7. APENAS AMIGOS
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8. TEMA PRO GAGUINHO
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9. MENINA FLOR
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10. TEMA PRA UM AMIGO
■ジュリオ・バルボサ、通称ジュリーニョ。このトランペット奏者の名前を知っている人はそう多くはないだろう。と言うのも、彼のリーダー・アルバムはたったの1枚で、その1枚である本作を発表した直後にヨーロッパへと旅立ち、2000年代に入るまでずっとブラジルの地を踏んでいないからだ。しかし、その1枚のアルバムはコレクターの間ではずっと幻の1枚と噂されるもので、そうしたところからコアなブラジル・ファンの間では伝説のプレーヤーとして語り継がれる人物である。\r
■本作に名を連ねるメンバーがまた凄い。ブラジルが生んだ最高のピアニスト、ドン・サルヴァドール、ブラジルのアース・ウィンド&ファイアーと謳われたバンダ・ブラック・リオを後に結成するテナー・サックス兼フルート奏者のオベルダン、後にミルトン・ナシメントのバンドの正ドラマーを25年間も務めるホベルチーニョ・シルヴァといった面々が集い、ブラジル音楽史的に見ても実に興味深いセッションが繰り広げられている!
■本作は、そうした豪華な面々が顔を揃えただけでも充分驚きに値するアルバムであるが、単に豪華と言うだけではなく、方やブラジリアン・ファンクの創始者であるオベルダン、方やブラジル前衛音楽界のリーダーであるホベルチーニョと、普通では考えられないような組み合わせが実現しているということで、これまたブラジル音楽史的に見ても実に興味深い作品と言えるのである。
■アフロ・サンバ的なモチーフに彩られた02 「SAMBA EM TRES TEMPOS」は、壮大な曲想と途中で変位するリズム・トラックが秀逸。サルヴァドールのペンによる08「TEMA PRO GAGUINHO」は、重厚なスケール感が漂うスタイリッシュな1曲。郷愁に溢れた03「E NADA MAIS」は、雄大なイメージを広げるホーン・アンサンブルが印象的なジャズ・サンバ。アップ・テンポのジャズ・サンバ05「CAMINHANDO」は、軽快なリズム・セクションに乗ってハモンド・オルガンとホーンが哀愁溢れるテーマを奏でる、クラブDJ的に見ればニコ・ゴメスを彷彿とさせる、本作中の白眉となる作品!
■解説:小川充(DMR)