デ・プレポ
- アーティスト
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ホルヘ・ロペス・ルイスJorge Lopez Ruiz
- レーベル
- ヴィヴィド・サウンド
- 商品区分
- CD
- 発売日
- 2003/07/18
- 品番
- VSCD9045
- 税込価格
- 2,750円
- ジャンル
- バーコード
楽曲リスト
DISC1
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1. HOMENAJE A LA MUERTE
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2. MIROSBASS
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3. PUNTOS DE PARTIDA
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4. TODO FLUYE
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5. ODA PARA MI NINA
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6. MAS DE PREPO QUE NUNCA
■「エレクトリック・マイルス」の影響がココにも、といえる作品が本作。ピアソラとの共演経験も豊富な、アルゼンチンのベース奏者による実験色の濃い作品だ。マイルス・デイヴィスの視点にベースがどのように置き換えられるか―\\―テーマの集約はここ。縁の下の力持ちがフロントラインをいかように統治していくかが本作の聴きどころの一つ。さらにもう一つ、昨年のリイシューが角界で波紋を呼んだ、ジャザノヴァのサンプリング・ソ\ースでも話題の鬼才ピアニスト、フェルナンド・ヘルバルドの参加がキーとなっている。
■本作のリーダーであるホルヘ・ロペス・ルイス(b)は、ガトー・バルビエリとともに50年代からブエノスアイレスのジャズ・シーンを牽引していたキーマンで、ピアソラ楽団やエドゥアルド・ラゴスの金字塔『Asi Nos Gusta』への参加など、タンゴ/フォルクローレの演奏家との共演でも名を馳せていた。
■ジャズだけでなく、タンゴ/フォルクローレ等の課外でのオーケストレーションから、ジャズにも応用可能なアイデアをいくつも発見し、両分野を自由に行き来することの出来る彼ならではのスタンスが徐々に確立されていく。そして、コンポーザーとしての立場にまで活動範囲を拡げながら、「アルゼンチンの直立猿人(チャーリー・ミンガス)」の名をほしいままにしていった。そんな才能をつぶさに見せてくれるのが、この『De Prepo』だ。編成は5人だが、オーケストレーションで培われたディレクションは各パートのダイナミックな演奏力を引き出し、ひとり何本もの絵筆を使いこなすような音の色使いを展開。ジャケに描かれた多数の拳骨が象徴するように、多種多様なアプローチが表現の幅を倍増している。\r
■ミステリアスなコーラスとフェルナンド・ヘルバルドのフェンダー・ローズの音色が美しいマッチングをみせるコズミック・ジャズ「HOMENAJE A LA MUERTE」。ドライな8ビートを刻むイントロのドラムから怒涛の展開を見せる本作のハイライト「MIROSBASS」は、チャーリー・ミンガスを凌ぐようなホルヘ・ロペス・ルイスのベースが縦横無尽に駆け巡る、アルヘンティーナ・フリージャズの金字塔とも言える究極の一曲!! ロックからの影響を伺わせるドラムスに、フリーキーなピアノリフ、美しい音色を奏でるソプラノ・サックスが絶妙に配置されたプログレッシブ・ジャズ「TODO FLUYE」、モノクロのスパイ・サントラを思わせるスリリングな展開が白眉な「MAS DE PREPO QUE NUNCA」等、アルゼンチン・ジャズの懐の深さを感じさせられる、驚きに満ちた名演が満載!!
■解説:若杉実