エターニティ ETERNITY
- アーティスト
-
アリス・コルトレーンAlice Coltrane
- レーベル
- ヴィヴィド・サウンド
- 商品区分
- CD
- 発売日
- 2005/06/15
- 品番
- VSCD9317
- 税込価格
- 2,530円
- シリーズ
- DIVERSE ANGLES
- ジャンル
- バーコード
■昨年、26年ぶりに新作『Translinear Light』を発表したアリス・コルトレーン。ピアニスト、オルガニスト、ハープ奏者、そしてあの故ジョン・コルトレーンの細君といった彼女のさまざまな横顔はあまりにも有名なだけに、ココでは説明は不要だろう。1976年に発表された本作は、アリスが吹き込んだ数々のアルバムのなかでも名盤に挙げられる1枚!インドの古代哲学、宗教に深い造詣を示す彼女はこれらをテーマとしたマスターピースを60年代末期から70年代初期にかけて、レーベル、インパルスに残しているが、その方向性は本盤でも継承されており、高い精神性と洞察に縁取られたサウンドスケープが提示されている。そして以前から顕著だったオーケストラルで壮大な音像を骨子に、エレクトリックな側面が導入され、コズミックでメディテイティヴな様相はさらなる高みの域へと到達!
■アリスがプレイするハープが天上界の音の調べにも聴こえる「Wisdom Eye」、強力無比なアフロ・キューバン・リズムをバックに、電子オルガンが宇宙空間へ向けて鋭角的なパルスを放つ「Los Caballos」、祈りにも似たコーラスとロング・トーンを奏でるエレクトリック・ピアノがリスナーに瞑想の場を提供する「Om Supreme」、タンブーラの導入でインド的なニュアンスが加わり、カオティックな度合いをいっそう強めた電化フリー・トラック「Morning Worship」、ストラヴィンスキー作曲の古典「春の祭典」 の第1部を構成する「春のロンド」のインスピレーショナルなカヴァーの全5曲が創出する世界観は、あまりにも深遠だ!ちなみに、このアルバムにパーカッション奏者としてクレジットされている謎の人物A Friendの正体はあのカルロス・サンタナ(!)だということも、つけ加えておかねばならない。
■晩年のコルトレーン・グループに参加し、彼の遺志を受け継ぎつつ独自の音楽観を築いていったアリスのインパルス時代を彼女のキャリアの第1期とするなら、'76年から'78年にかけてのワーナー時代は、その第2期と捉えることができるだろう。ワーナー移籍後の第1作目に当たるこのアイテムでは電子オルガンを駆使し、古代インドの英知に恩恵を授かったミュージカル・エッセンスを完全に自分のスタイルで表現するのに成功している。つまり東洋に眠る奥義を会得して、そこにフリー、エレクトリック・ジャズの要素を邂逅させながら、サウンドとしても、そして霊的にも進化を遂げていくプロセスは、本盤を含め、この時期に発表\\された『Radha-Krsna Nama Sankirtana』、『Transcendence』、『Transfiguration』の4部作に刻印されていると言えるのだ!
■解説:北浦知司