インド・ジャズ・フュージョンズ INDO-JAZZ FUSIONS
- アーティスト
-
ジョー・ハリオット=ジョン・メイヤー・ダブル・クインテットJOE HARRIOTT-JOHN MAYER DOUBLE QUINTET
- レーベル
- ヴィヴィド・サウンド
- 商品区分
- CD
- 発売日
- 2005/07/20
- 品番
- VSCD9323
- 税込価格
- 2,640円
- シリーズ
- DIVERSE ANGLES
- ジャンル
- バーコード
楽曲リスト
DISC1
-
1. Partita
-
2. Multani
-
3. Gana
-
4. Acka Raga
-
5. Subject
-
6. Sensation
-
7. Savoy Blues
-
8. I've Found A New Baby
-
9. Just A Closer Walk With Thee
-
10. Farewell Blues
-
11. Panama
-
12. Bluein' The Blues
-
13. Battle Hymn Of The Republic, The
■本盤は、60年代のブリティッシュ・ジャズ・シーンを牽引したジャマイカ人サックス奏者ジョー・ハリオットをリーダーとする5重奏団と、ジョン・メイヤー率いるインド音楽のクインテットが一堂に会して完成したジョー・ハリオット=ジョン・メイヤー・ダブル・クインテットの'67年作『Indo-Jazz Fusions』、およびシカゴの伝説的なジャズ・クラブ、ジャズ・リミテッドにおけるさまざまなアーティストのパフォーマンスの模様を収めた『Jazz At Jazz, Ltd.』をカップリングしたもの。特に前者はラーガ・ジャズの金字塔の誉れ高い一枚として、人びとに愛されている。
■その『Indo-Jazz Fusions』の根幹をなすテーマは、ヨーロッパでもっとも早い時期からフリー・ジャズの概念を提唱したハリオットの先進的な音楽性と、インディアン・ミュージックの融合といった点に集約されていると断言できるだろう。ラーガの音階と4/4にとどまらないインドの多彩なリズムをジャズのイディオムにアダプトしようと腐心している様子は、このアルバムを構成する五つの楽曲に接することで浮き彫りとなる。力強いベースと不規則に刻まれるタブラの律動に導かれながら、ラーガのスケールが醸し出すエキゾチシズムと西洋のハーモニーが幻想的な邂逅を果たす大作「Partita」をはじめ、タンブーラ、シタール、ヴァイオリンがミステリアスなサウンドスケープを形作る「Multani」、東洋的トーンに彩られながらも、メロディーの端々にクラシック音楽からの影響を如実に窺わせる「Gana」、ショッキング・ブルーも後年カヴァーしたポップな「Acka Raga」、タブラ、タンブーラ、シタールを中心に神秘的なムードを放出する前半部へ経て、後半部ではハリオットがフリーの実践を介して体得した斬新な和声解釈を披露する「Subject」に至るすべてのナンバーに横溢する進取の気性。このエクスペリメンタルな精神の発露こそが、『Indo-Jazz Fusion』を傑作たらしめている最大の要因と言える。一方、後者にはスィング?デキシーランド・ジャズの明朗さ、快活さが備わっているのが印象的だ。
■旧譜好きのクラブDJ、コレクターを筆頭に、ジョー・ハリオットを敬愛するヨーロピアン・ジャズのコアな収集家にもアピールするのは確実。そして『Indo-Jazz Suite』が『Suburbia Suite』に掲載されていることや、テイ・トウワのお気に入りとしても知られ、さらにはシタール・グルーヴに夢中のモンド音楽愛好家やレディーメイド・フォロワーまでを虜にする訴求力を本盤が兼ね備えているのも魅力的!
■解説:北浦知司