ル・ピアノ・ドゥ・ピエール・カマス Le Piano De Pierre Cammas
- アーティスト
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ピエール・カマスPIERRE CAMMAS
- レーベル
- ヴィヴィド・サウンド
- 商品区分
- CD
- 発売日
- 2010/01/20
- 品番
- VSCD9367
- 税込価格
- 2,860円
- シリーズ
- Production Dessinee
- ジャンル
- バーコード
楽曲リスト
DISC1
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1. Chant de havane
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2. Sarabande a part
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3. Eva naissance
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4. Sonate a part
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5. Sophistic
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6. Boogienrie
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7. Flamencool
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8. Marinova
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9. Tempo for eva
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10. Samba string
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11. Tempo loco
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12. Pierrot dactyle
よほどのマニアでなければ彼の名前すら知らないかも知れません。南フランス出身のジャズピアニスト、ピエール・カマスがひっそりと1978年に吹き込んでいた知られざるピアノトリオの名作が『ル・ピアノ・ドゥ・ピエール・カマス』です。クラッシックの素養を感じさせる華麗なタッチが魅力の彼が、初めてピアノトリオ編成(+パーカッション)で取り組んだ本作は、全曲が彼のオリジナル曲と言う意欲作。ダイナミックなイントロだけでもその魅力が伝わるゴージャスな「Chant de Havane」からして、彼の力量を推し量れますが、そのテクニック以上に興味深いのが、作曲センスの良さと、クラシカルなタッチを軸に、どん欲に取り込んだブラジル?ラテン音楽などのエッセンス。それらに加え、持ち前のエスプリを効かせたスタイリッシュなサウンドが、びっしりと詰まったフレンチ・インディ・ジャズの逸品なのです。
先立ってプロダクション・デシネよりリリースされた、レーベル初のジャズコンピ『musique dessinee 03 - Essence』にも収録された、美メロのワルツ「Sarabande a part」が一際素晴らしいですが、リッチなフィーリングが空間を満たすようなエレガントなボサジャズ「Eva naissance」、「Sophistic」、同系ながらより爽やかなメロディが涙モノの「Marinova」、そしてアグレッシヴなジャズサンバ「Samba string」(コチラはフロア映えも抜群!)などのブラジリアンナンバー達に加え、品の良いサウンドが魅力のバロック調ジャズ「Sonate a part」、「Pierrot dactyle」、ダイナミックなタッチとスパニッシュ・フィーリングが融合した「Flamencool」、そしてバラッドの「Tempo for eva」で聴かせる表情の豊かさもタダ者ではありません。
楽曲のクオリティの高さ、作品の耳障りの良さは、一聴でお分かり頂けるかと思いますが、本作は当時のLPのプレス数が極端に少なかった自主制作盤的な作品であった為、本国のジャズコレクターの間でも、非常に希少価値の高い作品として一部のマニアには良く知られています。一説には、同じく南仏発のインディジャズ・コンピ名作『Jazz a Marseille』(海外オークションでは1,000ドルを超えた事もありました)よりも、プレス数が少ないと言われています。また、ジャケットのデザインも秀逸で、ジャズファンのみならず、カフェ系のリスナーから、ブラジル?ボサジャズファン辺りのリスナーにもアピール可能な秀作です。
今回も、しっかりしたA式の紙ジャケット仕様での再発となります。昨年、プロダクション・デシネよりリリースされ、大好評を博した、マルティン・ハーク・カルテットによるダッチジャズの名作『レタッチ』にも通ずるような、軽やかで感動的なサウンドが魅力です。流行り廃りに関係無く、いつまでも定番でオススメ出来る一枚として、是非お取り扱いをご検討下さい。