ソフトリー・アズ・アイ・リーヴ・ユー Softly as I leave you
- アーティスト
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トニー・デ・ヴィータNULL
- レーベル
- ヴィヴィド・サウンド
- 商品区分
- CD
- 発売日
- 2010/05/19
- 品番
- VSCD9371
- 税込価格
- 2,860円
- シリーズ
- Production Dessinee
- ジャンル
- サブジャンル
- Piano Trio
- バーコード
楽曲リスト
DISC1
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1. Parole, Parole
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2. Ti lasci andare
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3. I’d like to teach the world to sing (in perfect harmony)
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4. (We have) All the time in the world
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5. E penso a te
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6. Imagine
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7. Wives and Lovers
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8. My world
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9. Grande, Grande, Grande
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10. Vanessa
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11. Midnight cowboy
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12. Softly as I leave you
イタリアはミラノ生まれのピアニスト/作編曲家トニー・デ・ヴィータが1972年に吹き込んだ知られざるピアノトリオの名作が本作『ソフトリー・アズ・アイ・リーヴ・ユー』。所謂ジャズピアニストとしての知名度は低い人物ですが、本国では作曲家として多くの有名な楽曲を残しており、1960年代から続くその活躍ぶりは、数多のTV番組、ラジオ局に提供した楽曲群、そしてイタリアを代表する大衆女性歌手ミーナとのコラボレーションが有名です。ミーナが最初にヒットさせ、後にはフランク・シナトラ、シャーリー・バッシー、マット・モンロー、アンディ・ウィリアムスを筆頭に、大勢のシンガー達がこぞって取り上げ、ジャズのスタンダード・ナンバーとしても世界中で愛される名曲(にして本作のタイトル曲)「ソフトリー・アズ・アイ・リーヴ・ユー」は、彼のペンによるナンバーであると言う事実が、彼が世界的にも優れた作曲家であるという、何よりの証拠でしょう。音楽好きならきっと誰もが耳にしている、と言っても過言では無い程のナンバーですから…。
そんなトニー・デ・ヴィータのピアニスト、アレンジャーとしての資質をたっぷりと楽しめる本作は、自身のオリジナル曲に加え、世界中から素晴らしいメロディを感じさせるポップスの名曲を取り上げて、エレガントでスタイリッシュなピアノトリオで聴かせる”優しさ”に溢れた1枚。程よい切なさが滲むジャズボサに仕立てたオープニング曲「パローレ・パローレ」を聴けば、この作品がいかに上質なモノであるかが伝わるでしょう。流麗なピアノがリードする同系のジャズボッサ「エ・ペンソ・ア・テ」、力強いジャズサンバ調のリズムに乗せて駆け抜ける「グランデ・グランデ・グランデ」、愛らしいメロディが印象的なオリジナル「ヴァネッサ」辺りのブラジリアン・フィーリングを感じさせる楽曲や、華麗なワルツの「ワイヴス・アンド・ラヴァーズ」(バカラック)など、実にスタイリッシュで都会的なセンスを感じさせてくれます。他にも、歌心を感じさせるタッチでシンプルに聴かせるジョン・レノンの名曲「イマジン」、「ミッドナイト・カウボーイ」、「マイ・ワールド」などもとにかく秀逸で、全編肩の力の抜けた、でも、品性に溢れる演奏のみが収められているのです…。
昨年プロダクション・デシネがご紹介し、秘かに売れ続けているイタリアのピアノトリオ、『ロベルト・プレガディオ/アッレ・タスティエレ』(VSCD-9362/PDCD-031)の美メロの世界にも通じるような名作です。こちらは、カヴァー曲の選曲も非常にポップで、程よく配されたボサノヴァのフィーリングなども耳障りが良く、よりリラックスして楽しめるのでは無いでしょうか。カラフルなイラストレーションもインパクトがあって、ジャケット(今作品も、しっかりしたA式の紙ジャケットを採用しております)だけでも飾っておきたい衝動に駆られる点にも注目です。
残念ながら本作は、ジャズの作品としては“知る人ぞ知る”、と言うレベルの作品と言うよりは、“殆ど誰も知らない”レベルの作品です。また、決して派手なインタープレイや、アドリブが効いたソロがある訳でもありませんが、音楽としての内容は余りにも素晴らしく、是非とも多くのリスナーの皆様に聴いて頂きたい作品です。プロダクション・デシネがいつどんな作品でも提案したい“感動”、“メロディ”などと言ったキーワードが、ここにはしっかりと、“ソフトリー”に刻み込まれています。
Tony de Vita (トニー・デ・ヴィータ):
1932年、イタリアはミラノ生まれの作編曲家、ピアニスト。ミラノの音楽大学を卒業後、パリでさらにピアノを学ぶ。1960年代には、イタリアを代表する女性シンガー、ミーナへの楽曲提供、また、伊の著名なTV番組の音楽などを手掛け、数多くのヒット曲を残す。世界的にヒットし、未だにスタンダードナンバーとして、数多くのシンガー取り上げる名曲、英題「Softly as I leave you」(原題は「Piano」)は、彼のペンによる物。