ライノと八尾市探検隊 Lino And The Yow City Expedition
- アーティスト
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ライノNULL
- レーベル
- ヴィヴィド・サウンド
- 商品区分
- CD
- 発売日
- 2009/11/18
- 品番
- VSCD9698
- 税込価格
- 2,750円
- ジャンル
- サブジャンル
- JIVE/JUMP/CLUB
- バーコード
楽曲リスト
DISC1
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1. Fanfare For The Magi
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2. Three Wise Monkeys
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3. Joe Potato
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4. Dancing In The Midnight Sun
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5. You Got The Number
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6. Lady Louise
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7. Hot Dish
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8. You've Got To Be Seen
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9. The Awkward Age
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10. Remember The Boys
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11. Haven't I Seen You?
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12. Right In The Thick Of It
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13. My Defection(Bonus Tracks)
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14. Rue Des Larmes(Bonus Tracks)
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15. Three Wise Monkeys ?7inch Mix-(Bonus Tracks)
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16. Dancing In The Midnight Sun -Demo-(Bonus Tracks)
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17. Lady Louise ?Demo-(Bonus Tracks)
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18. Right In The Thick Of It -Demo-(Bonus Tracks)
■セックス・ピストルズやダムドやザ・ジャムなんかが一緒くたにされていた時代に、彼らを尻目にスウィング・ジャズを飄々と演奏するという本編の主人公ライノとは、皮肉たっぷりの洒落者だったのか?それともただの天然だったのか? しかし、今こそ時代が彼に追いついたのだ!!
■なぜ本作『ライノと八尾市探検隊』が幻の名盤かというと、本国イギリスはもとより、アメリカでのリリースも見送られ、結局は義理堅い日本でしかリリースされなかったという曰くつきのブツなのです。「だれもヒットを予想できなかった。ジャズというにはポップだし、ポップと言い切るにはジャジーだから(本人談)」。当然日本でもたいしたヒットにはならず、来日公演も直前でキャンセルになったとのこと。無念である。。。しかし、神は彼を見捨てなかった。オールジャンル系DJとして世界最高峰の目利きであるクボタタケシをはじめ、DJやコレクターたちが彼を再評価しはじめたのである!!
■ライナーより一部抜粋:
じゃあ彼の魅力ってずばりなんなのだろうか。ロックンロールの作法を多分に秘め、そこからスカやジャイヴへと飛躍する運動能力も捨てがたい。ライノそのものの個性とそれを判断したところで、これまた構わない。つまるところ、バブルガムポップなカラーリングに染め上げられていたアメリカンなものへの憧憬を超越してしまったライノは、現在進行形(当時)のアメリカンそのものを体現していた、そう言えるのではないだろうか。ドナルド・フェイゲンにブロウ・モンキーズ、なんならカルチャー・クラブでもよろしくてよの、そうした同時代性をはらむアーティストたちの世界をひとりで、しかしマルチな才能をもって表現してみせていた。フェイクやレトロ、オールドタイミーという肯定とはべつの次元で語られるべき懐古の肯定こそライノという永遠の二枚目(実話)なのだと、甘酸っぱさ120%のこの1枚にむしゃぶりつきながらしみじみ思う。
■バイオグラフィ・アルバム・近況についてー
本名ライオネル・ロビンソン。1955年、北イングランド生まれ。マルチ・プレイヤー。二十歳ごろロンドンに上京するのをきっかけに、音楽活動をスタート。ポップス系からハード・ロックまでいろんなバンドを組織&サポート。その数年後、ジャズの魅力に開眼。セロニアス・モンク、タビー・ヘイズ、ジミー・スミス、キャブ・キャロウェイ、ルイ・ジョーダン、モーズ・アリソン、スタン・ゲッツ&トム・ジョビンなどをこよなく愛し、ついには3人編成の“YOW”を結成する。バンド名はアメリカの風刺漫画ZIPPY THE PINHEADに由来。やがて1987年にデビュー・アルバム(本CD)を吹き込むためバンドを9名に増員。当時交際していた日本人女性が大阪八尾市出身であったことや、映画『Vanishing Point』の音楽を担当したダグ・ディラード・エクスペディションに影響されたことから“LINO AND THE YOW CITY EXPEDITION”に改名する。本人曰く“コンセプトはグッド・タイム、ジャンプ・ジャイヴ&スウィング!そして底抜けに明るいラテンをイージーにプレイ!!”。アメリカでのリリースも打診していたもののあえなく見送られ、現地UKはおろか日本でしか発売されない代物に。本人曰く“だれもヒットを予想できなかった。ジャズというにはポップだし、ポップと言い切るにはジャジーだから”。リリース記念の来日公演も直前でキャンセルになったとか。なお、今回のCD化にあたって6曲ものボーナス・トラック(収録曲のデモ・ヴァージョンらも含む)を用意するという大盤振る舞い。近年はバンドのサポートを中心にホテルのラウンジなどで演奏(このセットで近年来日もしている)。その合間に自主制作されたアルバムには『Dear Moon』『Never So Blue』『Kingfisher』『2 Cool?Music To Watch Girls By』といったものがあるが、いずれも録音年は不明。どれもちょい悪オヤジが嗜む休日ファッションみたいなキラキラとギラギラとサラサラとがない交ぜになったようなユルさでいいのです。ああそれから、現在はオーストラリアで悠々自適な暮らしをしているとか。
『100円コーナーの常連だったこのレコードを救い上げて10数年。ミックステープ「CLASSICS 3」に収録して9年。今ではプレミア感さえ漂う「Joe potato」のスウィング波にのまれてみて クボタタケシ』