キング・オブ・ザ・ヴァイブス KING OF THE VIBES
- アーティスト
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ロイエアーズROY AYERS
- レーベル
- ヴィヴィド・サウンド
- 商品区分
- CD
- 発売日
- 2011/11/16
- 品番
- VSCD9716
- 税込価格
- 2,750円
- ジャンル
- サブジャンル
- SOUL/CLUB
- バーコード
楽曲リスト
DISC1
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1. Feel Me
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2. Obama Say
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3. E. Funk
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4. Oochi Koochi Koo
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5. Emani
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6. Virgin Vibes
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7. Neo Soul Groove
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8. It's A Better Way
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9. Everybody's Groovin'
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10. B B Bill
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11. King Of The Vibes
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12. Get Some Money
~ヴィブラフォン奏者の巨人 ロイ・エアーズ~
ライオネル・ハンプトン、ミルト・ジャクソン亡きあと、ヴァイブ奏者のトップは、ゲイリー・バートン、ボビー・ハッチャーソン、そしてこのアルバムの主人公ロイ・エアーズであろう。
ロイ・エアーズはその偉大なる音楽キャリアを、ハービー・マンの元で所謂ジャズ・ヴァイブ奏者としてスタートさせている。筆者は不勉強にしてその変遷の詳細を知らないのだが、ロイエアーズの音楽はある時期を境にして方向性が完全にファンク・ミュージックに変わるのである。通常ヴァイブ奏者としてあれだけの演奏が出来るのなら、シコシコとジャズを演奏していれば誰も文句は言わないとは思うのだが、ロイは違った。「ファンク・ミュージックの中でのヴィブラフォン」という彼にしか出来ない音楽ジャンルを作ってしまった。新しいヴァイブ演奏のフォーマットを作ってしまったのだ。筆者は80年代後半から90年代を通してナイトクラビングと称して頻繁にダンスクラブのハシゴをしたが、何度「Can’t You See Me」、「Running Away」等、ロイ・エアーズのダンスクラッシックでステップを踏んだ事であろうか…。
今までの書き方を読むとまるでロイ・エアーズは過去の巨人の様な印象を持たれるかも知れないがそれは違う。今作は2004年の『Mahogany Vibes』以来の約7年振りの新作である。いつにも増してロイは元気である。マイナーキーの漆黒のグルーヴ1.「Feel Me」でこのアルバムは幕を明ける。そして、ブラック・ピープルの誇りか、オバマの事を歌ったある種ハードボイルドでトリッキィな2.「Obama Say」が素晴らしい。それからベースがゴリゴリしているスーパー・へヴィ・ファンクの3.「E. Funk」へ。寄せては返す潮騒のようなドープな5.「Emani」。ミステリアスなナンバー6.「Virgin Vibes」も良いし、楽しいリズミックなジャンプ・ナンバー10.「B B Bill」、11.「King Of The Vibes」も素敵に仕上がっている。しかし私は何と言っても今作のベストトラックはとてもムーディーなスキャットナンバーの?「Oochi Koochi Koo」だと思う。このアルバムでは最新テクノロジーの鍵盤打楽器「マレット・キャット」を駆使して実にモダンでよりアップ・トゥ・デイトされた最高の音楽をクリエイトしている「ロイ・エアーズ」の姿がある。
老いてなお盛んとはこういう事を言うのであろうか?
ロイ・エアーズ、あなたはバケモノか?
2011/08/22 the fascinations 渡辺雅美
DJやミュージシャンに今なお影響を与え続けるリヴィング・レジェンド!!