コンポステラ COMPOSTELA
楽曲リスト
DISC1
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1. オーバー・チューン ニキシのまだ来ない朝
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2. しあわせなユダヤ人
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3. イディッシュ・ブルース
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4. 僕の心は君のもの
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5. タンゴ・タンゴ
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6. カティンカ
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7. S-1
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8. 我方他方
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9. 同志はたおれぬ
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10. 耕す者への祈り
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11. うす闇の子供
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12. プリパ
■第一弾は、クレツマー・ミュージックから、チリの演劇人ヴィクトル・ハラの作品、韓国民主化運動の歌「プリパ」(原曲は南北戦争時の「ジョニーが凱旋する時」)のチンドンでの演奏など、民族的かつ政治的な音楽が故・篠田昌已のソロ作品『COMPOSTELA』。その音楽の豊かさと硬軟ある反骨精神とが、日本であり日本ではなく、しかし日本人の民族としての音楽、前衛的かつポップな音楽として昇華された名盤である。篠田昌已の作品の中でも、再発を望む声の高い一枚である。(オリジナル発売:1990年)
参加メンバー…
中尾勘二、関島岳郎、駒沢裕城、大熊亘、北村賢治、西村卓也、久下惠生、今井次郎、高田光子、高田千代子
“COMPOSTELA”と題されたこのアルバムには、篠田昌已の音楽に対する謙虚な姿勢と強い意思が結晶化し、組曲の様に織り込まれている。
篠田本人の話によれば“COMPOSTELA”とは、“星の原っぱ”という意味で、ルイス・ブニュエル監督の映画“銀河”に出てくるスペインの巡礼地、サンチャゴ・デ・コムポステラという地名によるものらしい。伝説によれば、この地に葬られた聖者ヤコブの墓のありかを、星の光が羊飼いに射し示した事から、その地が“星の原っぱ”と呼ばれるようになったと言う。
このアルバムに収録された12曲は12の星の光と言ってもよいだろう。
“耕す者への祈り”は1973年チリの軍事政権によって、両手を打ち砕かれ虐殺されたヴィクトル・ハラ(彼はギターを弾いて歌う音楽家だった)が射し示す光であり、“しあわせなユダヤ人”や“イディッシュ・ブルース”は、かのユダヤ人達の心にかすかに射し込む一条の光だったかもしれない。
そしてそれらの光をたぐり寄せ、少しでも先を照らそうとするかの様に、篠田自身の作曲による3つの曲が演奏されている。
(小玉和文 本編ライナーより抜粋)