TWILIGHT
- アーティスト
- PlumberPlumber
- レーベル
- ヴィヴィド・サウンド
- 商品区分
- CD
- 発売日
- 2021/03/17
- 品番
- VSCD3225
- 税込価格
- 1,760円
- ジャンル
- バーコード
楽曲リスト
DISC1
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1. 青の嵐
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2. Amaryllis
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3. シェルター
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4. 魔法飛行
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5. Cradle
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6. 真白食堂 - Bonus Track
セルフライナーノーツ-------------------------------------------------------------
初めまして、Plumber(プラマー)はvo.gt.鈴木とdr.松宮の2人組です。
本作『TWILIGHT』は、玩具箱に仕舞っていたような、絵本に挟んでいたような、個人的な記憶や郷愁に纏わる物語です。その断片が、置いてけぼりにされた主人公たちによって騒々しく語られます。大袈裟で臆病な楽曲たちをどうぞよろしくお願いします。
一、青の嵐
僕らの原点を自己紹介するような曲になったかと思います。十代のときに作ったメロディやリフの残骸が、アルバムのオープニングを飾るために一つの曲として蘇りました。1stアルバムならではの粗削りなナンバーだと思います。スターウォーズのメインテーマみたいなギターソロなどが気に入っています。
日常で起こる「何処かへ逃げたい」という漠然とした衝動をそのままに、高速道路を滑走するパレードに巻き込まれていく様を描きました。明けない夜にだって次の朝にだって出口はないけれどボーイズドントクライという感じの歌。
二、Amaryllis
18歳の冬に書いた、ひとりの人間の挫折と諦観についての歌です。眩しいあまりに恥ずかしくて消してしまいたいほどの「約束」は、いつしかそれ無しでは生きられないほどの絆しとなりました。それを失くしてしまったとしたら。逆説的に、「自分にはこれしかない」という生き方の危うさも歌っています。
十代前半に出会ったBUMP OF CHICKENやsyrup16gの影響を全面に出しつつ、どこまでクリティカルな良い歌が書けるか挑んだ曲です。
dr.松宮とのバンド結成のきっかけになったり、拙くも初めてちゃんと音源化したり、何かと思い入れのある一曲。
三、シェルター
未曾有のパンデミックが世界中の人々を等しく部屋に閉じ込めた春に、知人が呟いた、「自分の滞りにやっとみんなが追い付いた」という言葉が気になっていました。
誰かのあらゆる行為や思考、性向は、隣り合う誰かによって図らずも相対化されてしまう。彼の言葉によってその当然の事実を再認識させられたように感じました。それから、身近な友人や兄弟との過去を振り返って書いた曲です。
例に漏れず僕らもBon Iver的なアプローチに憧れつつも、背伸びしてキリンジの使うようなコードにも憧れるなどして結果歪なものが出来上がりました。僕のお気に入りです。
四、魔法飛行
ベッドルーム宇宙に住まう天性の無精者の歌です。本作のシリアスなバラードたちの中で、僕らのおどけた一面が垣間見える曲として入れました。
microKORGや音声サンプリングで遊んで、手作り感溢れる玩具のような曲になっています。
アラジンのジャスミンによる"It’s all so magical."という名台詞を機械に喋らせていますが、これは堕落した人間の付け元気のように愉快な、曲調の皮肉さをよく表しているな思います。
リズムトラックが何ヶ月も決まらなかった末に松宮が持ってきたツインドラムのループという案もナイスでした。
五、Cradle
子守歌のことをクレイドルソングと言いますが、この曲が思い浮かんだときは、まさに自分の中でずっと昔から聴こえていた子守歌を抽斗から取り出してきたような、遠い過去の忘れ物と再会したかのような感覚でした。このアルバムの本質とも言える一曲です。
情緒的な前半と直情的な後半、凡庸な言葉と華麗な言葉、茫漠とした轟音ギターと堅剛でスクエアなリズム(RadioheadのAirbagやRideのDreams Burn Downをイメージした)など、様々な相克が渦巻いています。と同時に、最も何も考えずに作った曲でもあります。
六、真白食堂
ボーカル鈴木による弾き語りのボーナストラックです。噛み合わなくなってしまった2人の話。
七尾旅人さんの『OMOIDE OVER DRIVE』という作品で描かれている景色にどうしても近付いてみたかったという思いがありました。
よかったら一緒にCradleのMVも観ていただけたら嬉しいです。
長々と野暮なことまで書いてしまいましたが、あまり真に受けずに音楽だけを聴いていただければ幸いです。『TWILIGHT』に、素敵な出会いがありますように。
vo.gt.鈴木容堂
<Plumber(プラマー)プロフィール>
鈴木容堂(Vo.Gt)と松宮隆司(Dr)による日本の2人組のロックバンド。2018年に早稲田大学の音楽サークル内で結成。宅録スタイルで制作を進め、2019年よりインターネット上での楽曲投稿を中心とした活動を開始。