ＳＰＩＮ　ＴＨＥ　ＲＯＵＬＥＴＴＥ SPIN THE ROULETTE

昨今世界中のシーンを賑わせているロックンロール原理主義に、決定打となる作品が登場した。目標はローリングストーンズだと宣言する横浜の4人組、LUXEES（ラグジーズ）が放つデビューアルバムは、UKロック直系のギターサウンドで挑発しながらも、破格のポップセンス、誰もが口ずさめるおおらかで普遍なメロディで最後はシンガロングさせてしまう、魔法的傑作。「ルーレットをまわせ」というタイトル通り、強靭な三拍子に華やかなコーラスが映えるM1、フジロックで6万人が大合唱してもおかしくないドキャッチーなM3、サイケデリアをミスチル並みの分かりやすさで噛み砕いたM4、グランジ・オルタナも感じさせるM8、静と動が織りなす7分の大曲M12と、その趣は多彩だ。今を生きる若者のリアルでありながら、時代を超越したエバーグリーンなスタンダードたりうる、独特の存在感が確立されている。歌詞は一瞬英語のように聞こえるが実はほとんど日本語で、あまりの心地よさに電車内で絶叫しないよう注意が必要。やっぱり、ロックンロールは永遠だ。そんな青くさい気持ちにさせてくれる、至福の一枚。