ありのままに PER SE

国内では押尾コータローに代表されるアコースティック・ギタリストによるインストゥルメンタル・アルバムが大きなマーケットとなり、ここ数年アコースティック・ギター・ファン層を更に拡大しつつある。海外のアコースティック・ギタリストでもカナダ出身のエリック・モングレインのCDが大ヒット・アルバムとなって今なおロングセラーを続ける輸入盤店の定番CDになった事も記憶に新しい。そんな中、オーストラリアから登場した強力な新人アコースティック・ギタリスト、キーラン・マーフィーの新作が国内発売される事となった。今年18歳の彼が発表した初のアルバム、『ありのままに（原題PER SE）』だ。トミー・エマニュエルのプレイを彷彿とさせる切れ味鋭く抑揚に富んだダイナミックなプレイの「ザ・チェイス」や「ブートレグ・エスカピード」から、ケルティック音楽の影響が窺える「サザン・ラン」や「ファイアーテイル」まで、様々な作風のオリジナル作品が楽しめる聴き応え充分の素晴らしいソロ・ギター・アルバム。01年9月11日の同時多発テロのニュースを知り心を痛めた当時13歳のキーランが、その翌日に作った祈りにも似た穏やかな作品「アフター・ザ・フォール」も収録。年齢に不釣り合いな程の優れたテクニックだけでなく、様々な作風のオリジナル作品の曲作りにおいても、彼は才能を遺憾なく発揮している。スロー・バラードからパッション溢れる楽曲まで、アコースティック・ギター１本だけで表\\現されたキーラン・マーフィーの世界を堪能できる１枚。この度、アルバム・プロモーションの為に来日したキーランは、東京・大阪でインストア・ライヴを行い、いずれも定員を上回る申\\し込みが殺到するほどの人気だった。また、押尾コータローのラジオ番組『押しても弾いても』にゲスト出演し、スタジオ・ライブではキーランがソロで「The Chase」を、押尾コータローとのデュエットで「Sangria」を演奏。ゲスト・コーナーの最後には最新アルバムから「BootlegEscapade」がかかった。