アンダーグラウンド Underground

当時、彼が在籍していたバンドのリーダーだったボビー・ラッシュと共にスタジオに入り、ヴォーカル＆ギターをルーサーが、そしてボビーがベースを弾いてレコーディングしたという奇跡の音源が、息子バーナードの手によって日の目を見ることとなった。正真正銘、これが本当のデビュー・アルバムでありラスト・アルバム。第二期シカゴ・ブルース黄金期としてバディ・ガイ、オーティス・ラッシュ、マジック・サム、フレディ・キングらとともに活躍していたルーサーだが、特にレコーディングに関して遅咲きであった彼のデビュー・アルバムは1969年の「ラブ・ミー・ママ」。それだけに本作で、その約10年以上も前の若く勢いのある彼のプレイを聴くことができるのはファンにはたまらないはず。その後のアルバムに新たに録音されることになる楽曲の原点はここにあり、さらに完全にこのアルバムでしか聴けない曲も数曲収められている。特筆すべきは、1曲目、ご存知フレディ・キングの「ハイダウェイ」で、フレディが初めてこの曲をレコーディングしたのは1960年なので、その2年も前にすでにルーサーが録音していたことになる。もちろん同時期にシカゴで活躍していた彼らだけに、今後オリジナルをめぐって、論議が交わされることになるかもしれない？そんないわく付きの曲を含め、とにかく最もシカゴが熱かった58年の貴重な音源なだけにファンならずとも必聴盤になること間違いなし！