オール・アローン

かつてのルネッサンス文化が色濃く残る歴史的な都市フィレンツェの地に生まれ育ったアレッサンドロ・ガラティは、6歳でクラッシック・ピアノを始め、バッハ、ラベルに影響を受けていく。後にジャズに強い興味を持ち、イタリアの著名なベーシストで現在は ビッグ・バンドのアレンジャーでもあるブルーノ・トマソに師事し、ジャズ・オーケストラの編曲・作曲を修得する。その後、彼の音楽観を大きく変えるビル・エヴァンスとの運命的な出会いが有り、この頃から卓越したオリジナリティが開花し始める。ビル・エヴァンスの持つリリシズムや奏法は、彼の音楽理論を決定付けたと言っても過言ではなく、現に彼はこのアルバムにおいて、そのリリシズム溢れる美しいストーリーを見事に表現している。そして、全ての曲にイタリア独特の内省的な哀愁が程よくブレンドされ、彼の唯一無二な独創的メロディーが心を和ませてくれる。これまでに競演したビッグ・アーチストは、Steve Lacy, kenny Wheeler, Lee Konitz, Bob Sheppard, Dave Liebman, Palle Danielsson, Steve Grossman, Peter Erskine, John Patitucci, Michael Moor 他多数。