ＨＯＯＫＹ HOOKY

70年代中盤は、レイシーがいよいよ自身の音楽を確立していった時期で、名盤といわれている彼の録音はこの時期に集中している。本作もこうした時期における重要な録音のひとつで、1976年3月24日のモントリオール公演の記録。バップ、モンク曲、フリージャズといった側面は完全に昇華されて全曲がオリジナル曲へと結実している。作曲と技法が一体となり、どこまでも美しく、またどこか物悲しい淡々と紡がれ続けるレイシー音楽が確立されている。また、本作とその前のソロ作『WEAL』に収録されたレパートリーは、以降も数多く行われる彼のソロの・パフォーマンスの重要なレパートリーとなった。CD化にあたり、コンサート後半「TAO」組曲前6曲とアンコールが追加収録され、これでコンサートの全容が明らかとなった形となる。