告白 Jzpoved

超絶技巧と類い稀な表現を有するクラシックパーカッション奏者・安江佐和子のファースト・ソ\\ロアルバム。安江佐和子は、桐朋学園卒業後、ドイツに留学し、ライナー・ゼーガース（ベルリンフィル・ソロティンパニー奏者）に師事したパーカッション奏者。帰国後、東京フィルハーモニー管弦楽団、新日本フィルハーモニーなどに在籍。また、打楽器ソ\\ロイストとしても、数多くの現代音楽作品の初演を務めた。野平一郎・廻由美子らとのバルトーク「２台のピアノとパーカッションのためのソナタ」(victor) など、録音作への参加も多い。本作は安江佐和子の自己名義による初作品で、楽曲の構造や歴史的文脈など以上に、「歌う」という演奏表\\現による直接的な体験性に重点を置いて制作された。マルチ・パーカッションによる、奏者に超絶技巧と自主性／即興性を要求するブソッティ「心」は、作曲者自身が安江の演奏を高く評価している。杉山洋一作曲「ツリー ネイション」は、本作および本作に絡んだコンサートの為に作曲された委嘱作で、世界初録音。ササス「マトルズ ダンス」は明らかに演奏の強度に重点を置いたフリージャズ的な世界。また、これら現代曲に於ける超絶技巧とアグレッシヴさ、あるいは構造への挑戦といった側面に対照された、スカルラッティ曲での清廉さ、また本作の核となっているブルガリア民謡での透き通るような感情的表\\現の美しさなどに、パーカッション音楽の次の視点と、この演奏家の音楽的スタンスや幅の広さが滲み出ている。ホール録音を避け、スタジオ録音に拘ったニアフィールド録音による音像の明瞭さと独特の空間性も聞き所のひとつ。2008年録音。