ONE ONE
欲望のままに焼き尽くした営み。引き裂いた大地。果てることのない人間の業をあらわにする中で、救われる方法の答えもない。ただ、その引き裂いてしまった大地の割れ目に見いだすものを、写真家でもある海沼武史のプロデュースのもと、アコースティック+サウンドスケープで定着させることに成功した。SSW堀内幹の存在の色・唯一の音楽、満を持して待望の初スタジオ録音で登場。生ぬるい癒しなんて必要ない。時代・世代を超えた紙ジャケット仕様の強力盤!
「ライブにしか音表現の真実は無い」とストイックに続けてきたSSW堀内幹。西洋的なスタイルの呪縛からの解放を、ギターの打楽器的な奏法、サワリ付・フレットレス等に改造したギター無間棹(むげんざお)、鈴を鳴らしながらの足踏み、語り・叫ばれる歌という土臭い荒削りサウンドで追い求めてきた。2010年からはワールド系を軸に、あらゆるスタイルの表現者を呼ぶ個人企画「キの音イキの根」を主催している。アルバム「one」は、マルチアーティスト海沼武史のプロデュースのもと、その激しく熱いライブスタイルを抑え、楽曲のイメージを増幅させるサウンドスケープを添えることにより、意識下より即興性によって導かれ定着された歌詞と、シンプルで民族的な香りも漂う楽曲がはっきりと浮かび上がった。ポップな世界をみせるM1、アルバムの核と言えるM5、無間棹で歌われるM8ではゲストコーラスにアイヌの床絵美が参加し、新たな世界を感じさせて幕を閉じる。10年越しの初スタジオ録音盤はコンセプトアルバムのような統一感をもった全8曲、46分半。