The Immediate Family Japan Tour 2019 Vol. 2
5月11日(土)
今日は大阪への移動日。朝食は9時からと決まっていたので、私も8時まで寝ていました。
チェックアウトのロビーコールは12時10分でしたので、皆のんびりムード。Russは前の日に覚えた和食スタイルで手際よく自分のトレーを一杯にして行きました。ちゃんと味噌汁は右側ルールも守っていましたよ!朝食には全絶対に全員集合します。流石は我がチルドレンです!
名古屋ではホテルのロビーでサインを求められることも無く、速やかにチェックアウトを終え、予定よりも早目にホテルを出発して名古屋駅へ向かいましたので、出発の1時間10分前に到着。新幹線に乗る時には、ホームの番号、発車時刻、号車番号を全員にしつこいくらいに確認する必要があります。特に名古屋駅では、過去にJerry Yesterが、目の前に停車した車両に勝手に乗ってしまって行方不明になり、大変な思いをした経験がありますのでね!でも、我がファミリーはバラバラに行動することが無いのです。こう言う状況下ではとても優等生なんです。人間とは無い物が欲しくなってしまうもので、こう言う時に絶対に言うことを聞いてくれないHenry Diltzが恋しくなってしまいます。(笑)
1時間強の待ち時間がありましたが、中に入って待とうと言うことで改札に向かうと、最初のファン数名が出現!特にRONINのファンらしく、Waddyが一番多くのサインを求められていました。一体どこから我々のスケジュールが漏れているんでしょうね? 改札を入ると更に別のファン達に囲まれてしまいました。ここでもRONINのLPにサインを求める人が目立っていました。これが最後かなと思いきや、出発時刻の5分ほど前にホームに移動すると、また新たなファンが出現!凄いですね!そして有難いことですね!
ホームで定番の写真を撮り終えて、さてこんな多くの荷物をどう収納するんだろ?と不安に思いながら乗車すると、我々の6席は、その車両の一番後方だったので、座席の後に十分な収納スペースが有りました。良かった。で、席に着いてみると、この車両には我々6人と1人の熱烈なファンの女性しか乗っていませんでした。1両貸し切り状態。
私が関ケ原の話をしたことから、アメリカの南北戦争の話へと発展し、皆夫々の激しい戦場跡を訪ねた時の話に夢中になっている中に、あっと言う間に京都を通過し、新大阪に到着でした。ホームではBillboard Liveのサインを持ったアーティスト・リレーションの男性が出迎えてくれました。ここからは、もう大船に乗った気分です。
Lee, Waddy, Russが参加した、吉田拓郎とのツアーで来た時の大阪の思い出話しに花が咲く中、大阪ヒルトンに到着。昨年の彼らとのツアーのみならず、私にとっては色々な思い出の詰まったホテルです。
翌日はオフなので、明後日のロビーコールの確認と、夕食の集合時間の確認をして解散!私は部屋に荷物を入れるや否やプールへ直行しました!日本に住むようになってからの3年半、プールでは撮影が禁止されている為、自分がどんな感じで泳いでいるのかが全く分からない状態が続いていたのです。自分にとっては、これが今回のツアーのハイライトみたいなものです。(笑)ホテルのプールは15mの短いプールですが、私1人で独占!何度もビデオを確認しながら一本一本丁寧に泳ぎました。とにかく最高!
ま、泳ぎには大分修正ポイントが見つかりましたが・・・・。
この日の夕食の店「瓦どんどん」と言う、去年滞在した時に、ホテルのコンシアージに教えてもらった我がファミリー御用達の焼き肉屋なんです。名古屋を出る前に予約を入れておいたので、昨年と同じ個室が取れていました。昨年は到着した夜に行ったので、Dannyは参加しなかったのですが、今年はDannyも参加出来ることにとても張り切っていました。昨年のツアー時には、Russがアルコールを絶っている期間だった為、ダニー以外に呑み仲間が居なかったのですが、今年のRussはアルコール解禁。Waddyも積極的にビールを飲むようになっていたり、Leeもこの夜は肉を食べることにしていたので、とても盛り上がりました!
でも、我がファミリーメンバーは、Russを除いては、カルビ以外の部位を食べないのです。なので、全員カルビのみ!先ずは、キムチの盛り合わせとカクテキを夫々3皿、大きなグリーンサラダを3つ頼んで、乾杯! とりあえず12人前のカルビと2人前の野菜焼きセットをオーダー。私とRussが夫々のグリルでの焼き手です。私はDannyの隣の席だったのでお世話が大変!そして、食べるペースも早い! アッと言う間に肉が無くなったので、5人前を追加。更には、〆で2人前の追加。ドリンクは3ラウンド。Russ, Waddyと私が生で、ダニーは麦焼酎のロック、SteveとLeeはジンジャエール。これら全てでなんと21,000円なんですよ!大阪は安い!それに、この炭水化物なしの食べ方はとてもヘルシーだと、皆大満足!
ホテルへ戻りながらドラッグストアーで買い物。SteveとWaddyはファミマを見つけてクリームパフをゲット。
5月12日(日)
前日のチェックインの時から感じていたのですが、もの凄い数の中国人の団体客がホテルのロビーを占拠してしまっています。この日の朝食用のレストランも日本語は殆んど聞こえて来ません。正直なところ、大阪ヒルトンの朝食は美味しくなかったです。名古屋が良すぎたのかも知れませんが、中国人の団体の毒気に当てられた感じです。エレベーターも中々来ない。中国人で鮨詰め状態。もちろんエレベーターの中でもアヒルの合唱状態!
朝食は9時集合と言うメッセージがWaddyから届いていたので、Russと私は8時にプールに集合。私は、その20分前からウォームアップで数本泳いでおきました。去年は私が水泳の用具を持っていなかったので実現しなかったRussとの水泳が実現したのです!彼は、子供の頃から水泳とサーフィンをやっているので、パワフルな泳ぎをします。特に水中でのストロークが凄いんです!彼のドラムの演奏スタイルから想像出来る通りのストロークです。そして、私の泳ぎを見て、適確なコメントをしてくれました。ここにCoach Kunkelが誕生しました! ここだけの話ですが、スピードに関しては僕の方が速いです!!(笑)
朝食の後、WaddyがUSB Type AからMini-B Pinへのコンバージョンケーブルが必要とのことだったのと、私も翌日のファーストステージの後に物販で使うサイン用色紙を買い求めなくてはならず、梅田駅の北側に在るヨドバシカメラへ二人で行きました。午前中からとっても暑い日で、ホテルに戻った時にはヘトヘト。それなのに、ロビーでRussと遭遇するなり、お昼は博多ラーメンが食べたい!ってことになり、その1時間後に参加者を集いホテルから歩いて15分程度のところに見つけた一風堂か一蘭へ行くことになりました。ロビーに降りて行くと、Waddyがファンに囲まれていてサイン攻めにあっていました。そのファン達は2組の家族に見えましたが、Waddyの側に居たRussとSteveには全く気付いておらず、RONINのみならず、Honey Don’t Leave LAのCDにもサインを求めているのに、RussとSteveは無視。挙句の果てには、Russに写真を撮って欲しいと頼んでしまったほどでした。私が代わろうとすると、Russがウィンクしながら、「彼らは自分のことをローディーだと思っているよ!このままにしておいてあげよう!」と言ってきたので、私は邪魔をしないようにしました。彼ら7,8人のファンは、最後までWaddyのみと握手をして帰って行きました。大阪ヒルトンは、Billboard Live Osakaの出演者の定宿ですので、ファンにとってはパラダイスです。ショーの後の真夜中のロビーにも、必ずファン達が待ち構えていてサインを求められます。
結局ラーメンを食べに行ったのは、RussとWaddyと私の3人のみでした。一蘭も体験させてあげたかったのですが、テーブルに着いてからオーダーが出来る一風堂を選びました。とにかく暑かったので、即生ビールで乾杯!そして、餃子を2人前頼んでシェアー。ラーメンは、Waddyは白丸のカタ麺で、Russと私は赤丸のバリカタ!お腹一杯です。
この夜だけは、私はいつも大阪でお世話になっている小島さんと、プロモーターの喜多さんと共に、小島さんの行き付けの「西心斎橋ゆうの」にて、最高の懐石料理をご馳走になりました。こうしてリチャージをさせて頂いたことで、この後のファミリーとの旅行で力を発揮出来ます!
5月13日(月)
今日はショーデイ。RussとLeeのロビーコールは12時で、3人のギターリストのコールは14時です。
昨日は、中国人団体客が大混雑の中チェックアウトしてくれて喜んでいたら、今度は、インド人の団体でロビーは凄いことに!申し訳ないですが、匂いも凄かったです。インド人達には中国人と異なり、自分達の食生活が特異な臭を持っていると言う意識が有るので、それを隠す為の香水の使用料が凄いんです。中東の人達と同じですね。余り風呂に入らないフランス人も団体になると凄いことになりますよね!昔アリゾナの田舎道で、自分の車が壊れた時に、観光バスをヒッチハイクしたら、それがフランス人の団体を乗せたバスで、死にそうになったことがありました。
さて、コール時間通りに、ホテルから徒歩5分、車だと10分のBillboard Live Osakaへビルボード・バスで到着。見慣れたキッチンを抜けて直接ステージへ出ると、名古屋にも来て下さったタツさんとFOHの柴崎さんが率いるサンフォニックスのバックラインチームの懐かしい顔達が迎えて下さいました。名古屋ブルーノートでは、サプライヤーの手違いから間違えて送られた1つ小さなサイズのRolandのBlues Cubeも、しっかりとDannyが求めている313に交換されていました。因みに、我がファミリーのメンバー達の機材は、SteveのアンプFender Hot Rod Delux以外は全てエンドースメントなので、バックライン担当の会社にとっては楽だと思います。RussはDW Drums、LeeはDemiter Amplification Bass 400 (Leland Sklar Model)、DannyはRoland Blues Cube 313、WaddyはBlakstar Artist 30です。ギターは、WaddyはGibson、DannyとSteveがG&L、そして、今回はK. Yairiがアコースティックギターを提供して下さいました。
LeeはHartkeのキャビネットは好まず、本当はGalien Kruegerとかを好むのですが、Demiterのアンプを使うことで、Hartkeでも好みの音になると言うことで、Billboardのハウス機材のHartkeで満足していました。
ま、こんなフレンドリーな雰囲気の中、楽しくアッと言う間にリズムセクションのセットアップが完了。さて、ここで嵐の前の静けさはお終いって冗談を言っている中に嵐が上陸。3人のギターリストの登場です。ステージに上がるなりWaddyが私を手招きするので彼の側へ行くと「Hey little brother, why the fck you got Danny a bigger amp now? I don`t want him to use a bigger amp! He`s gonna be fckn’too loud! It’s your fault!」でした。私は肩をすくめる動作をしただけです。「What the fck am I suppose to do?」ですよね!(笑) 名古屋でもそうだったのですが、今回のステージプロットでのDannyのアンプの位置と角度がステージ上での大きな問題でした。ハウスの方は良い感じになっていましたし、柴崎さんがFOHなので安心して任せられますが、ステ―ジ上では嵐の勢力がどんどんエスカレートして行っていました。ちょうど私がモニターのアヤさんの側からステージの様子を眺めていた時でした。突然Dannyがギターを肩から外し、投げつけるようにギタースタンドへガーンっと置いてFワードを多発しながら楽屋へ去ってしまったのでした。「お前らは俺よりも自分達の方が大切な存在だと思っているんだろ!」的なことを言っていました。Billboardのスタッフが後を追おうとするのを、私が手で制しました。私にとっては、これこそが自分の出番。とは言うものの、少々ビビりながら頭の中で10秒数えました。RussとLeeの方を見ると、2人共私に向かって軽くクビを縦に振ったので、ドアが閉じられた楽屋へと向かいました。すると、檻の中のライオンみたいに楽屋中を歩き廻りながらFワードを吐き続けているDannyが居ました。私は言葉も見つからないまま、とにかくDannyをハグし、「Hey, big brother. Don`t worry. We all love you and everything`s gonna be alright!」と本当にありきたりの言葉をささやきました。そして、OS-1のボトルを手渡し、彼がそれを一口、二口呑むのを見てから、「Ok, let`s go big brother. We have a show to do!」と言うと、Dannyも「Ok, I’m sorry Kaz」と言ってくれて、静かにステージに戻りました。そして、マイクを使って、その場に居合わせたクルーとメンバーに対して謝罪をしました。おーDannyも成長している!と胸を撫で下ろしました。結構エキサイティングでしょう!
私も「自分が成長しているな」って、外から自分のことを見ているもう1人の自分の存在を感じていました。
こうして、サウンドチェックを終えて一度ホテルに戻り、いよいよ本番。
ホテルでメールの対応とかしている間にも、集客に協力して下さった京都や神戸の友人達から電話やメッセージが入って来ましたが、私だけ会場へ戻り、ご挨拶をすることは出来ず、申し訳なく思いました。
大阪の1stセットのみ15曲のセットとなりましたが、2ndセットの始まる直前に、やっぱり疲れるのでアンコールは1曲のみにしようと言うことになりました。それと、2曲目にはHoney Don’t Leave LAの方がDirty Laundryよりもフィットすると言うことで、このセットリストが決まりました。
The Immediate Family Set List for BBLO 05/13/19
- Lawyers, Guns and Money (Waddy)
- Honey Don’t Leave LA (Danny)
- 3:45 Coming Through (Steve)
- Hi Maintenance Girlfriend (Waddy)
- Machine Gun Kelly (Danny)
- Somebody’s Baby (Steve)
- Fair Warning (Waddy)
- Dirty Laundry (Danny)
- New York Minute (Steve)
- Jonny Strikes Back The Band (Waddy)
- Cruel Twist (Danny)
- Time To Come Clean (Steve & Waddy)
- Werewolves Of London (Waddy)
Encore
- Divorce – (1st Set Only)
- All She Wants To Do Is Dance (Danny)
Billboard Live Osakaのショーは、何時ものことですが、会場の形状がフラットに近いので、ハウスのサウンド的には東京よりも良いのです。私もここがブルーノート時代に、Americaと共に5日間を過ごした経験が有りますので、とても愛着を感じるクラブです。
普通はサイン会を終えると帰れるのですが、この2日後の5月15日に渋谷タワーレコードでインストアー・ライブが予定されている為、K. Yairiのアコギを2本とLeeのDingwallベースを手持ちで東京へのフライトに乗らなくてはいけないことから、トランポの荷物から取り出しておいたり、WaddyとDanny、Steveのギターをパッキングしたり・・・Dannyは誰がどうパッキングしようが一切気にしないのですが、Waddyは去年までは、絶対に自分のギターを他人に触らせたくないので、ショーの後、サイン会が終わるまでステージが片付かないのです。幸い今年は、私のみ触って良いことになったので助かりましたが、Steveは相変わらずべダル類に関してのみ、絶対に他人に触らせないのでとっても時間が掛かります。Leeは、一度楽屋に戻ると直ぐにステージに戻り、自分の楽器はさっさとケースに閉まって楽屋に持って来てあります。流石です!Russの場合は、アンコールの後、直ぐに私がステージに戻り、チューニングキー、イヤーモニターをスティックケースに閉まって、楽屋へ持って行くことをルーティンにしています。その時にWaddyのボトルネックもマイクスタンドから回収します。
まあ、Steveのべダル類も今回は手持ちで飛ぶので、トランポの人達には迷惑を掛けずにすみましたが、バスに乗れたのは1時近くなってしまいました。キッチンとフロア―のクルーの皆さんに拍手で送られながらバスに乗ってホテルへ戻りました。私は、部屋に戻る前に、Dannyが使用を諦めたペダルとその周辺のシールドケーブル、iPadのホルダー等を宅急便で東京へ送る為、コンシアージの人にお願いして箱詰めをし、発送の手配をしました。私の食事はちゃんと楽屋でバンドと同じものが用意されていて、結構ちゃんと食べてはいるのですが、1時半になるとお腹が空いてしまいますよね! そこで、ホテルのロビーから道を挟んだ場所に在るファミマで軽食を買い求めることにしました。すると、ファミマの前に、柴崎さん、タツさんと共にサンフォニックスのスタッフ達が飲み会をやっていました!! そこで一緒に呑みたかったのですが、明日は移動日なので、我がファミリーの誰かが私を探しているといけないので、後ろ髪を引かれる思いでホテルに戻りました。